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カラオケⅢ
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それから巡はその演歌歌手の歌を二曲歌った。それは誰が歌うよりも魅了される歌声。だからと言って威張るような態度はなく、控えめに、遠慮しがちに歌ったその声はまた違う美しさを奏でていた。
そんな後で俺が歌える訳もなく、、
機械を弄るだけと言う時間が流れた。隣に座る事に何も言わなければ、距離数センチでも何も言わない。すっげぇ仲良くなれた嬉しさなのか何なのか、さっきからドクンドクンと心臓の音が煩い。
「これ…」
「えっ⁉」
「歌って…」
リクエストに答えて歌います!
って、何で俺なんかに求めるんだ…惨めになるだろ?
リクエスト曲は巡の部屋に置いてあったフィギュアの第一期のオープニング曲だった。
安堵。
そのアニメは長年続く割にはディープなアニメだ。知ってる人が珍しい、そんなアニメだ。だから、フィギュア見た時、ファン見つけた!って嬉しくなったがまさか一期を引っ張ってくるとは。目立たない裏で人気な感じの物が好きそうな巡にはお似合いなのかもしれないな。
歌い切る。
ノってくれた巡は物凄く楽しかったようで、次これ!とエンディングを転送した。
いや、だから何で俺?
なんて言わない。折角楽しんでるんだから。
「ファンだ…!」
と巡が喜んでいた、とんでもない喜びの事実に気付かなかった。
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