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壊したくない硝子細工Ⅰ
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自覚した途端の俺は自分でもわかる程、巡との距離を取ってしまう。
巡はその度悲しそうな表情を見せて、そんな俺に合わせるように距離を取る。
こんな事がしたいんじゃないのに…
なかなか我儘を言ってくれない
離れた距離がもどかしい
今は親友と、嫌われないような道を選ぶ。
自分の気持ちなんていくらでも殺せる。
それらはやっぱり裏目に出てる。
「…今日は楽しかった、また、な」
門を開けて中に入って行く。
長かった巡の家までの距離はもう0センチ。
離れて行く
寂しそうな背中を見せて
そのまたなはどんな意味?
「巡!!」
「な、なに⁉」
「まだ!まだ話したい!家入っていいか?」
「……、いっ、よ。どうぞ」
閉ざされた門を開いて巡の元に行く。玄関の鍵を開けてドアを開けると、先に入れてくれた。迷う事なく巡の部屋に直行する。部屋の中には戻し忘れた湯飲みとお盆が床に置かれていた。
部屋に来た巡の手には違うお盆。お茶の入った湯飲みと急須が乗せられていた。
「何話す?」
床にあったお盆を勉強机の上に置いて、そう言葉を掛けてくる。
内容なんて決めてなかった俺は、黙り込んでしまう。
ただ一緒の時間を過ごしたいなんて、恋愛ごっこでもしてるわけでもないのに女々しいだろうか?気持ち悪いだろうか?
頭の中で沢山の言葉が浮かんでは消えていった…。
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