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壊したくない硝子細工XI - 巡side -
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用もないのに、柊季と顔を合わせづらくて逃げるように教室を出た。
真っ直ぐ一人で帰るのは久しぶりだ。
気楽だと知っているのに、何だか寂しさを覚える。いつもいる彼がいなくなるだけで、景色も変わってしまったような気がする。
避ける理由なんてないんだけど、ないんだけど、このままが続けば怪我させずに済むとか考えてしまう。
毎日何時間の間に、何回と叩いた手は赤く腫れていた。そんな手を目の当たりにして、自分を責めない訳がない。
確かに、ルールを作ったのも制御させてるのも紛れもない俺なんだけど、こう、急にガバッとかスッとかきたら怖いって言うか…。
慣れないんだよ、そういう関係に。
家族とは違うから、対応とか考えて接してたら苦しくなる。
俺自身を守るにはああするしか無くて…。
間違ってるってわかってても、撤回出来ないのは、恐怖と後の己への後悔を考えてしまうから。
弱い人間の極みです。
とにかく、柊季からは距離を置く事を考えるようにしようと決心してみた--。
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