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取り戻したいⅡ
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「服部くん!後で話があるんだけど…」
「ん、わかった。東棟の空き教室で待ってる」
「うん!」
登校して、下駄箱に下履を入れた時だ。一人の時間が増えて、遊びまくるようになってからそういう誘いが増えた。
話は言い訳に、体の関係を持ちたがる。まるで勲章のように。こんな俺の何処がいいのかもわからない。
女の甘ったるい喘ぎ声。
抑えているにしても甲高い声は鼓膜を震わせる。
快楽に溺れる哀れな女を見下げながら、俺はそんな女の為に動きイカす。俺自身は一応反応するが、前みたいに元気はない。やる気がない俺をそのまま反映しているかのように、下半身のソレは今は反応するだけの玩具だ。
「服部くん…気持ち良かったよ?//」
私に興味ないとしてもね…
そう付け足すと、乱れた制服を直し切って出て行った。
出て行って数秒後、上半身裸の俺は、壁に背を預けながら滑るように座り込む。
はぁ〜と大きな溜息を吐いて、かくんと頭を下げる。ヤンキー座りの膝の上に置いて伸ばした手は、いるはずもない、見えない何かを掴もうと空を何度も切る。
退屈…
悲壮感…
絶望感…
寂しくなった手に携帯を持たせて、連絡先を見る。
また、一度きりの関係のはずの知らない電話番号が増えた。
連絡先は増えて溢れていくのに、心は一向に満たされない。
今に始まった事じゃないけど、今まで以上に心の寂しさを知った。満たされない不満を知った。
俺の心も頭の中も、占めてくるのは決まって……
「めぐる……」
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