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ショッピングⅡ
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雑貨屋、宝石店、靴屋、服屋、家電量販店、本屋、食べ物屋。
連なっている店は全て回ると言い出した巡は、虱潰しに入って行く。
長居は極力しないと決めて回ったら、殆どの店が数分滞在で出ていた。早いと5分だ。
「待って!」
「ん〜?いいのあった?」
「これ…………!?、何でもない!次!」
長々と物欲しそうに手に取って眺めていたのに元に戻してあっさりと店を出て行った。俺はそれを掴んでよく見る。
バングルだ。金と銀で細めの5本セット。シンプルだけど、模様は目を凝らさないとわからない程細かく彫られていて尚且つ格好いい。
何に驚いたんだろうと角度を変えて見るがわからない。
値段?とも思ったが、高くも安くもない普通の値段だ。悩んでても始まらないし、あんなに欲しそうに見てたからそれをレジに持って行った。
店を出ると、何してたんだよと拗ねられたが、ちょっと他見てたって言ったら素直に受け入れてくれた。
次々と進んで行ったが、結局巡の目に止まったのはさっきのバングルだけだった。
「暗くなったし帰るか」
「待って……あと、最後にあそこだけ」
「……いいよ。俺ここで待ってるわ」
ちょっと連なった店からは離れた場所にある見た目小さな雑貨屋さんに、巡は向かって行った。
ふぅーと息を吐けば白い息が出る。
イルミネーションで色とりどりに明るく照らされる街は、まるでおとぎ話の世界だった。
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