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クリスマスパーティーⅡ
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『お邪魔しまーす』
サンタ姿の巡に通されたのは、眩しいくらいに飾られたリビングだった。いつもはシンプルで花瓶に一輪の花って感じの場所が今じゃ一つの会場だ。
この道をサンタの格好して歩いてるだけで恥ずかしかったのに、雪だるまの衣装を恥ずかしげもなく着ている渚はずっとすげぇ!!すげぇ!!!とはしゃいでいた。
「別の家だな…」
「毎年恒例なんだ。…柊季もサンタなんだ」
「被ったな」
にかっと笑って見せると、巡は顔を逸らした。その態度が嫌じゃない事を俺は知っている。耳まで真っ赤にして…。
そして、背けたままボソッと“格好いい”だって。
鼻血出るわ!
凪が巡に近付いて付け髭で遊んでいた。無下にせずに接している姿に感心する。
凪しつけぇくらいうぜぇもん…
最終準備を手伝って、テーブルを巡一家と俺と凪で囲む。変装してパーティーする姿は、客観視するとクリスマスと言う名のハローウィンに見えた。
メリークリスマスとシャンパンと子供用シャンパンの入ったお洒落なグラスで乾杯する。
飲む前に巡と小さくカチッと鳴らして飲む。しゅわしゅわと炭酸が喉で弾け、口の中に甘さがふわっと広がった。
ピザを貰い食べていると、俺を挟んで巡と巡の兄貴と話し出した凪。
巡の兄貴は、巡とは対象的でイケメンだ。二十歳と聞いていたけど、見た目はもっと上だ。具体的には25歳後半。
老け顔じゃないぞ!しっかりしててそう見えるってだけだ!
顔はシュッとしてて、キリッとした目に鼻筋が綺麗に入っててバランス良い。寡黙と言うか、物静かなところは巡に似てなくもない。
「お兄さんめぐちゃんと似てねぇですね」
「めぐちゃん…?」
「俺の事…」
「可愛いーあだ名ね!めぐちゃん♪」
「お母さんは黙ってて//!!」
「……巡が母さんに似てるだけだよ」
凪の変な日本語の質問?に真面目に答えた後微笑んだ巡の兄貴は優しい笑顔だった。モテんだろなぁ…。これがギャップってやつかぁ…何て勝手ながら学ばしていただいた。
「兄ちゃんがお父さんに似てるんだ…」
「それ!巡の親父もイケメンだよな!何だよ、この美男美女の塊!」
「……巡はこれが可愛いんだけどね」
頭をくしゃくしゃと撫でられてやめてっ!何て可愛い声出して甘えてる巡は、いつも俺に見せてる巡じゃない。嬉しそうに、でも恥ずかしそうに甘えていた。
今までもずっと兄貴に話したとか聞いてたから兄貴の事好きなんだなぁ…とは思ったけど、何と無く、その兄貴に違和感はあった。凪は羨ましそうに茶化してたけど、半分以上の感情は楽しんでいると思う。
サンタがトナカイと戯れている。
……トナカイがサンタと戯れているが正解。
何故か混ざりきれずに浮いてる、雪だるま。
凪の言葉は何一つ間違ってなくて、キッチンから覗くもう一匹の長身なイケメントナカイ(父親)と美しいクリスマスツリー(母親)は微笑ましそうにこっちを見ていた。
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