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手に取るように
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悪いとは思いながらも、兄貴にそうしろと強制されたから巡の部屋に戻った。
巡は律儀に布団に入ってはいたものの、眠れはしなかったのか俺が戻ってきた途端がばっ!と布団を捲って起き上がった。
普段はきっと寝てる時間だろうに、無理して起きてるからか眠そうにしながらもその目は俺を見据えて離さない。
何か巡のも読める気するわ…
「…起きてたのか」
「……何だったの?…………やっぱり俺が嫌いになったから…関わらないみたいな事…?」
「……」
「…、そ、なんだな…」
勝手に解釈して勝手に落ち込んで、一人百面相してる巡には悪いけど、あんな事口が裂けても話せない。現に決めたばかりだし。
「巡がどんな奴なのか聞いてただけだ。ほら、寝るぞ」
「嘘…俺に聞けばいいのにわざわざ兄ち--」
「うるさい。眠くてマイナス思考なってんだ、頭の中リセット!」
「っう、………………おやすみ」
「ほら、、おやすみ」
下の布団から高さのあるベッドに手を伸ばして挨拶する。
遠慮がちに、でもどこか甘えたに、小指と薬指をキュッと握られた。
俺のより一回り小さい手は頬と同じでふにふにと柔らかかった。
何度も誓っては挫折したけど、俺は覚悟決めるべきで、巡が出す答えがたとえ酷くても従うべきなんだ。ちゃんとはっきり出してもらわないと。
少しでも傍にいれる内容ならもう俺は絶対巡を離さない。
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