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まあ、いい。
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「まあ、いい。
カバンを持って来ていると言うことは先に寮に行ったのか。
だが、君は明日から授業だ。
今日は寮でゆっくりと過ごすんだな」
俺は声を出せなかった。
コミュ症+怖い強面理事長。
この二つの要素があれば人は声を発することが出来なくなる…。
とか考えてる場合じゃない!
本当に声が出ない。
ここまで俺のコミュ症が酷いとは…。
これじゃ、クラスで馴染むのも大変だな。
「これがこの学園で使えるカードだ。
部屋の開け閉め、食堂の支払い、購買での買い物。
色々な用途で使える、失くすなよ」
とりあえず少しだけ頷く。
「それから、この学園は広いからな。
生徒一人一人に地図を渡してある。
地図も一緒に受け取りなさい」
震える手で強面理事長からカードと地図をいただく。
寮に帰りたい
この部屋から出たい
新鮮な空気を吸いたい
早く話を終わらせてほしい。
「それから、クラスはSクラスだ。
寮に戻る前に一度担任に挨拶するといい。
話は以上だ」
やっと終わった…。
俺は早々に立ち上がり、部屋の扉に向かった。
振り返って一礼をすると強面理事長と目線を合わせることなく、部屋を出た。
「はあ…。やっとあの重い空気から解放された。
もう二度とこの部屋に入りたくはないな」
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