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孤独の天才
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仲間や友達なんていらない。
一人でいい。
一人でできる。
キュッ、キュッ
稽古場に響く自分一人の音
虚しいような、楽しいような
この時間が好きだ。
来月にある舞台の主演オーディション
絶対に一人で勝ち取ってみせる。
だから毎日毎日練習を欠かさない
ガラッ
「!」
稽古場のドアが開き、知り合い…今度の舞台で舞台監督を努める人が入ってきた。
「おはようございます。」
挨拶を軽くしてから、また練習を再開した。この人は面倒な人だ。必要最低限以上関わらない方がいい。
「…また一人で稽古?」
「っす。」
「へぇ。」
「アキさん…なにしにきたんすか?」
アキと呼ばれた女性
droplipesのメンバーの一人。
彼女は舞台演出に長けていて
俺も少なからず尊敬している。
「陣堂、一人に慣れてはダメだぞ?」
「………。」
「一人でなんでもできると思うな。」
「別に思ってません。」
「お前の、フリ、ターン、歌
すべてが一人でやってるようにしか見えない他の出演者も考えろ。」
鏡越しにアキさんを睨む
そこまで言われる筋合いはない
「…!そうだ、着いてこい。」
「は…?」
何処に?
アキさんはもうツカツカと出ていってしまった。一応先輩だ。無視する訳にはいかず、俺は渋々後を着いていった。
着いたのは少しガヤついている部屋の前
アキさんに促されて
ドアを
開けた。
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