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多忙
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疲労に体を蝕まれている、生徒会長の一ノ瀬ルイだ。
「ルイー、これさ、風紀に持ってけばいいの?」
「あー……そうだな」
コイツは幼なじみの黒澤日月。
どこをとっても平凡な、超平均男子だ。
この前のテスト順位は、ちょうど真ん中で、五教科すべて平均点と同じだったという、驚異の平凡人間だ。
ただ、性格に難あり。
「ルイが持ってって?」
「はぁ? なんでだよ。
てめぇで行け」
「何言ってるの?
僕みたいな超平均男子が風紀のお仕事を中断させてまでただの書類を渡しに行くとか、超迷惑だよ。
そんな恐れ多いこと、僕みたいな超平均男s」
「さっさと行ってこい」
「…………すみません神様。
僕なんかが風紀の仕事の邪魔をして……」
日月は平均男子に似合わず、半端なくネガティブだ。
風紀室に行くたびに、ここで懺悔している。
お前の家は神道だろ。
神社の跡取りがキリストに懺悔してどうするんだ。
そして日月は、懺悔のあと、憑き物が落ちたような顔をして風紀室に行く。
見慣れたが、最初はその分の時間がもったいなくてイライラしていた。
慣れとは恐ろしい…………
日月が出ていって静かな生徒会室で、「そういえば」とひとり呟く。
昨日の転校生はどうしただろうか。
今まで忘れてたが、明日、アイツの補佐任命式があるんだよな…………
まだ日月に言ってない。
帰ってきたら言わないとな。
アイツを補佐にすることで、吉とでるか、凶とでるか……
あぁ……頭が痛い。
胃も痛い。
胃腸薬……
昨日切れたんだ…………
買いに行くか。
けど、もしマリモ野郎とかあいつらに会ったら……
考えただけで胃が……
胃に穴が空きそうだ……
あの転校生……篠宮っつったか。
篠宮の仕事のでき次第で、睡眠や食事の時間も増えるんだがな……
それにしても、理事長は何を考えてんだ。
問題児の甥を裏口入学させたり、昨日来たばかりの転校生を補佐にするとか。
ハッキリ言って、迷惑だ。
いっそのこと問題ばかりのマリモの方くらいは退学にしてほしい。
その問題というのは、器物損壊や傷害のことだ。
マリモは自己中で、気に入らないことがあると、すぐ物や人に当たる。
そして、そんなマリモに惚れた役員達はマリモを止めるどころか、寧ろ加勢しているらしい。
そのせいで傷ついた、罪もない生徒がどれだけいることか……
さらに言えば、間接的に被害にあってる生徒もいる。
オレたち生徒会役員には、それぞれ親衛隊というのがあり、生徒会役員に近付きすぎれば、制裁というものが決行される。
制裁というが、やってることはイジメ、時に犯罪だ。
例えばリンチや強姦だ。
日月も未遂だったがリンチにされかけた。
近いうちに親衛隊の存在意義や、ルールをハッキリ定めないといけないな……
あぁ、また胃が痛くなってきた…………
ー補足ー
黒澤日月 -クロサワヒヅキ-
超平均男子
生徒会補佐
黒髪、平凡
超ネガティブ
神社の跡取り
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