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補佐任命式
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『これから補佐任命式を始めます』
マイクで講堂に響く副委員長の言葉に全校生徒がざわついた。
何も知らないで集められたとか、可哀想にねw
『それでは、補佐に任命された篠宮さん、壇上へ上がってください』
副委員長の言葉通りに壇上に上がる。
すると一拍おいて、奇声が上がった。
あーうるさい。
『静かにしてください。
それでは篠宮さん、挨拶をどうぞ』
差し出されたマイクの電源を確認する。
『あーあー。
えー、はじめまして、篠宮時雨です。
一昨日転校してきたばかりなので、色々至らぬこともあるとは思いますが、精一杯頑張るのでよろしくお願いします』
そこで一呼吸置いて、微笑した。
『補佐っていう立場だけど、いろいろ変えてくつもりだからw
そうだな……
まずは安曇野尋くん。
君の性格から変えようか。
っていうか居るのかなwww
あw 以上です』
頭を下げる。
講堂はしんとしてしまったけど、言いたいことは言ったし。
あーあ、こんな時、眼鏡ないと不便だなぁ。
目ぇ悪いからさ。
『あ、ありがとございました。
それでは補佐任命式を終わります』
副委員長の言葉に緊張がとけたのか、講堂内はザワザワし始めた。
「おい、篠宮」
呼ばれて振り向けば、眉を寄せた会長が居た。
「うん? なに?」
「あれは……本気か?」
「あれって…………安曇野尋くんのこと?」
会長は微かに頷いた。
「当たり前じゃん。
宣戦布告?的なやつだよw
……気に食わないんだよ、ああいう奴……」
「……え……?」
「あぁ、気にしないでw
会長には関係ないことだからw
それより今日から仕事あるんでしょ?
物覚えはいいほうだからガンガン教えてね」
そう言って笑いかければ、会長は腑に落ちないような顔をしつつも、「あぁ」と返してきた。
…………本当に気に食わねぇんだよ。
自分勝手に他人を傷つけてのうのうと生きてる奴が、さ。
本気で潰しにいくからな。
後悔させてやるほど。
考えただけで口角が上がる。
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