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葛藤
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オレは会長の一ノ瀬ルイだ。
転校生の篠宮に最近妙な感覚を覚えている今日この頃。
普段はヘラヘラ笑って人をからかうような態度のクセに、この学園を変えるだなんてことを言い出した。
無理に決まってる。
初等部から大学までエスカレーター式のこの学園に、オレは中等部の途中から編入した。
だからこそ、この学園の制度に違和感を感じているのかもしれないが、初等部からの奴がほとんどだから、きっと誰もこの制度がおかしいとは思わないんだろう。
それが外ではおかしいことだとしても、この学園のように隔離されたような場所で多数が普通だと思えば、ここではそれが常識だ。
だから、学園を変えるなんて不可能だ。
なのに……わかりきってるのに……どうしてか篠宮なら、と思ってしまった。
すぐに思い直したが。
期待して、信頼したって、どうせ最後は裏切られて終わる。
それがわかってるから、オレは人を信じない。
今回のことだって……たかが転校生に何ができるんだ。
確かに変えたいことはたくさんある。
だけど、流れに任せてしまえば楽だ。
篠宮だってすぐに気づく。
どうせすぐに諦める。
だから、期待なんか……
本心は……この学園を変えて欲しい。
オレは出来なかった。
篠宮なら、もしかすると……
期待と、無駄と……心中でグルグル渦巻いて、分からなくなる。
オレはどうすればいい?
学園を変えたい。
だけど裏切られるのが怖い。
オレは…………
………………
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