アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
旅館
-
「うわ、すごい雪だね。
氷柱長いっ」
はしゃぐ僕の隣で、バス酔いした会長が、なんとか返事を返してくれた。
まぁ、酔うのもわかるけどね。
カーブやら坂道やらは多かったし、信号は捕まるし。
途中から唸ってた会長は面白かったけど、段々本気で死にそうな会長には、流石に背中をさすってあげたりしたw
会長の旅行ケースも持って旅館に入る。
「わるいな……」
「いいから、取り敢えず部屋についたら横になりなよ」
フロントで鍵を受け取って部屋まで行く。
会長は部屋につくなり、スリッパも揃えず部屋の真ん中でぐったりとした。
……ごめん、笑えるwww
会長のスリッパを整えて、僕も部屋に入った。
二人分の旅行ケースを適当に置いて、会長の横に座る。
「大丈夫?w なんか飲む?w」
「いや……だいじょうぶだ……」
ぐったりとした会長は、30分程して漸く起き上がった。
「大丈夫?w」
「……あぁ、随分良くなった。
…………お前、オレが具合悪いのを見て楽しんでたな?」
「いや、そんなことはないと思うけど」
会長の視線から目を逸らす。
怖いんだよ、この人が睨むと。
「お前、もう着替えたのか」
「まぁね、旅行気分を味わわないと」
既に着替えた浴衣の裾をパタパタ動かす。
なんかテンション上がるよね。
楽しくなってくる。
「ねぇ、お腹空かない?」
「そうだな。
そう言えば昼は何も食べてなかったか……」
「1階にコンビニあったんだけどどうする?
…………っていうか、僕持ってきてたんだった」
「用意周到だな」
「会長も食べる?
一応お弁当なんだけど」
新幹線の中で食べようと思ってたら、すっかり忘れてたw
「すごいな。
これ、篠宮が作ったのか?」
「まぁね。
味は保証しないから、不味かったら無言でコンビニに行ってよ」
って、ほんとにそんなことになったら、多分泣くけどね。
「いただきます」
律儀に手を合わせる会長を横目に、僕も箸を持った。
先に一口、口に運んだ会長の反応を伺う。
口のものを飲み込んだとき、会長は、目を細めて微笑んだ。
「美味いな」
キュンっ……!///
うわあぁ!
なんかキュンってきた、キュンってきた!
キュンってきた!
「…………ありがと……」
なんか恥ずかしくなって、そっぽ向いて僕も食べ始める。
食べ終えた頃にはもう3時前で、ちょっと落ち着いたら温泉にいこうか、って話になった。
ここは湯の種類がたくさんあって、時間で男女交換するらしい。
たぶん二時間ごとだった気がするんだよね。
結局四時頃、会長も浴衣に着替えて行ってみることにした。
それにしても、温泉かぁ。
いつぶりだろ。
なんかテンション上がるw
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
60 / 198