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話し合い
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「聞きました?!
カッコいいって……!」
「いや、集中してたから聞いてない」
…………これだからこの人は。
それにしても、カッコいいと言われてしまいました。
嬉しくて悶えそうです。
「随分上機嫌だな」
「当たり前でしょう。
好きな人にカッコいいと言われれば、誰だって嬉しくなるものです」
「……好きな人?」
……どれだけ鈍感なんでしょうか。
それにしても、時雨は……可愛過ぎるじゃないですか!
ただのメガネクイッであんなに目をキラキラさせるなんて……
鼻血モノです。
猫耳など似合いそうですね。
そんなことを考えていたら、いつの間にか風紀室についていた。
会長がノックして「失礼する」と扉を開けた。
「遅ぇぞ」
「時間通りだろ」
「普通五分前には来いよ、愚図」
「テスト前で忙しいんだから、時間を切り詰めるべきだ」
「どうせ大した勉強もせずに点取れんだろ?
あーあ、嫌味な野郎だ」
「さっきから煩ぇな。
さっさと会議始めろ」
少し怒っているようですね。
何故か知らないが、2人は仕事の話以外になると険悪になる。
嫌味を言ったり、暴言を吐いたりと。
「お茶でもどうぞ」
「あぁ、ありがとう」
「ありがとうございます」
「いえ。
それでは始めましょうか」
「そうだな。
今回も親衛隊の話だ」
親衛隊の活動が過剰だ、という話と、どう対処すべきかを話したが、あまり意見は纏まらなかった。
「仕方ねぇな。
今度会議開くか」
「あぁ。
風紀と、生徒会と、ほかに委員会は?」
「どの委員会も親衛隊に入ってる奴ばっかで宛になんねぇからなぁ」
「仕方ないな。
ならテスト明け、会議室を一室借りておく。
いつになるかは空いてる時間で決まるだろうから、テスト明けしばらくは開けておくように言っておいてくれ」
「あぁ。
結局何も決まらなかったな」
「それだけ難しいってことだろう」
2人の会話をメモしながら思う。
やはり仕事になると意見が合うのに、どうしてそれ以外だと険悪になるのだろうか。
まぁ、個人間のことに首を突っ込む気はないので、何も聞かないけれど。
「結構話したな……
篠宮、アイツ、大丈夫か?」
「篠宮?」
「チャ……桜井と一緒に居る。
何もなければいいが」
「心配ですね、早く帰りましょうか」
立ち上がり出ていこうとすると、睦月翔から静止の声がかかった。
「なんだ、急いでるんだが?」
「アイツ……篠宮には気をつけた方がいい」
「貴方、彼のことを知りもしないくせに……」
「これは風紀委員長としての忠告だ。
俺はアイツを信頼するには値しないと思ってる」
「時雨が誰かを傷つけるような人間とでも?」
「そうは言ってねぇだろ。
ただ、危険視してるってことだ」
「イマイチ理解出来ないな。
根拠はなんだ?」
「………………」
「忠告と言うなら聞いておこう」
会長は睦月翔の方へ体を向けた。
「お前のことだ、根拠もないのに危険視するとは思えない」
「根拠は……不確かなものだ」
「お前らしくないな。
焦ってるんじゃないか?
少しは休め、如月も心配してるだろう」
「…………港醍……」
「…………はい。
とても心配です。
もっと僕が有能なら良かったんですが……
…………忙しい中、ありがとうございました。
テスト勉強、頑張ってくださいね?」
優しい笑みを浮かべるだけの如月さんに、私たちはただ頷いた。
睦月翔は彼なりに頑張っているんだろうけど、彼は少し周りが見えていない。
それは、私も同じかもしれないけれど、少なくとも彼には、心配してくれる恋人が居るのに。
「……不確かだが、気には止めて置いてほしい。
それと、次からは五分前には来い」
「そんなに五分前に集まっていたいなら、お前の方からこっちに来ればいいだろ」
「あんな堅苦しいとこに居られるか。
俺が来いっつってんだから来りゃあいいんだよ」
「お前の自分勝手な所は相変わらずか。
そんな態度なら、いつ如月に愛想つかされるかわからないな」
「んだと、コラ!
ぶち殺すぞ!」
「あ゙? やってみろよ」
「舐めやがって!
資料整理ばっかで腕鈍ってんじゃねぇか?
あ゙ぁ?!」
「なら試してみるか?
お前こそ平和ボケしてんだろ」
「け、喧嘩はダメですっ」
「会長、そんなことしてる暇はないでしょう」
互いに胸ぐらを掴み合う2人を引き剥がして、無理矢理風紀室の外に出す。
「2人がどんな関係か興味はありませんが、会長と風紀委員長が喧嘩をしただなんて知れたらどうなるか考えてください」
不機嫌になってしまった会長には何を言っても無駄だ。
これだから嫌なんだ、元ヤンとかそういう類の奴らは。
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