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テスト
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まぁ、色々すっ飛ばして、テストですよ。
ん?
すっ飛ばし過ぎ?
じゃあ簡潔に説明すると、あの日、ベッドで寝て起きたら、だいぶ良くなってたから伸びをしてたの。
で、ふと気づいたら会長が僕のこと見てて、無性に恥ずかしくなったから、カバンを受け取ってお礼を言うとすぐ退散した。
で、今日まで会長とぎこちないまま、勉強会をやって、やっとテスト最終日っていうね。
「英語、今回イケたかもっ」
「へぇ、超絶どうでもいいやw」
「……通常運転だな」
呆れ気味の秀太郎に笑みを返すけど、内心は穏やかじゃない。
会長に告白するんだ、いいことも、悪いことも、全部。
「けど、なんかいつもと違うよな」
「んー? どこが?」
「なんか、無理してるっつーか……」
「あ、日月くん」
日月くんの名前出すと、過剰に反応するんだよね。
あ、嘘じゃないよ?
ちゃんと日月くんが教室覗いてるもん。
少しキョロキョロして、秀太郎を見つけると、嬉しそうに頬を赤らめる。
なんて可愛いんだろう。
…………………………
カシャ
「ん?
おい、何撮ってんだよ」
「秀太郎のシマリのない顔、後で日月くんに送っとこうと思ってw」
「やめろ、馬鹿っ」
「馬鹿じゃないし、少なくとも秀太郎より上の自信しかないし、っていうか馬鹿とか言うから日月くんに送っちゃったしw」
「なんつーことを!」
「あははっ、ほら、日月くん、スマホ見てるよ?w」
「ちょお、日月っ!」
爆笑www
面白いなぁ、と二人を見つめる。
その後視線を窓の外に向けた。
雲一つない、いい天気。
青空が木々で切り取られていて、スズメか何か、小さな鳥が2匹、じゃれ合うように飛んでいた。
そう言えば昔、空を飛べたら、って考えたことがある。
飛びたい訳じゃないけど、もし、もしも一人で自由気侭に飛べるなら、どこに行こうって。
どこかに行きたくて、でもどこにも行く宛なんてなくて。
暗い部屋、カーテンの隙間から差し込む光に、ぼんやりとそう考えていたことがあった。
僕の昔話。
「なぁに黄昏てんだよ」
「んー?
いやぁ、眠いなぁ、って」
頭の手を笑顔で払い除けながらそう返す。
「何気、行動が酷ぇよな」
「まぁ小さいことは気にしなーいw」
秀太郎が座ったところで、ちょうど兄さんが教室に入ってきた。
兄さんは簡単にSHRを終わらせると紙の束を持って忙しそうに出ていった。
大変なんだろうなぁ。
「じゃ、オレ帰るわ」
「日月くんとデート?」
「な、なんでわかったんだよっ」
「日月くんってば、今朝、放課後は仕事休ませて欲しいって言ってきたからさぁ、なるほどねぇ、って。
ま、頑張ってね、おうちデート」
「なんで部屋ってことも……」
「当てずっぽうだったんだけどw
ちゃんと優しくしてあげるんだよ?」
「な、なんの話だよっ!!///」
「さぁ? なんの話でしょう?
あれあれ?
もしかして秀太郎ってば、変なこと考えちゃったの?w
やだー、秀太郎の変態顔だけ男ーw」
「なんか色々付いてきてんだけどっ?!」
秀太郎を見送って、僕も生徒会室に向かう。
今日からまた、仕事だぁ。
生徒会室に入ると、会長と春くんと、それから……
「うわぁ、まだ生きてた」
「やっほー、しーくん」
「そんなにヤッホーしたいなら、山でも登って遭難すればいいじゃん?」
「いらいろ酷いっ!」
うるさいヤリ男は放っといて、僕は無男の席に座った。
あ、無男っていうのは、書記のあだ名ね。
この際全部、○○男で纏めちゃおう、ってことで、無口、無表情、から無男。モジャ男にヤリ男に無男ってwww
ふいに会長と目が合って、思わず逸らしちゃった。
あぁ、もう……僕らしくない……
その日は会長とは目を合わせられず、溜まっていた仕事の3分の2ほどを皆で片付けた。
ちなみにヤリ男は何もせずに、ひとりでベラベラ喋ってたから、部屋の外に追い出した。
帰り道、たまたま会長とタイミングが一緒になって、なんとなく気まずいまま、一緒に歩いてる。
「…………あのさ?」
僕が話しかけると、会長はコッチを向いてくれた。
「明日、話したいことあるんだけど、いいかな?」
「あぁ。
仕事は一応午後からの予定だから、午前なら」
「よかった。
あのね、大事な話がしたいんだ。
あ、僕にとったら大事だけど、会長にとってみればそれ程大事じゃないかも知れないんだけど」
「いや、大事なんだろ?
なら、午前中、オレの部屋に来るか?」
「え、いいの?」
「あぁ」
ということで、明日の午前、会長の部屋にお邪魔することになった。
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