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到着
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っと、まぁ、色々あったけど、無事到着。
「会長、大丈夫?」
「………………」
「うん、大丈夫じゃないね」
会長に肩を貸して、荷物はヤリ男に任せる。
「おもーい、なんでオレが二人分の荷物なんか」
「うっさいな、今まで仕事しなかったんだから、それくらい黙ってやれば?」
「うわぁ……
ねぇ、しーくんって猫被ってたの?」
「なんでそうなんの?」
「だってさぁ、ハルルンとかにはニコニコしてるのに、オレだけ酷い扱いじゃん」
「嫌いだもん」
「ふはっ、正直だねー」
「あれ、会長?」
「無視?」
無視だよ。
ぶー、と口を尖らすヤリ男を尻目に、ぐったりする会長の背中をさする。
こうなりゃ最後の手段。
会長を抱き抱える、所謂お姫様抱っこってヤツね。
「篠宮……!?」
「辛いんでしょ?
恥ずかしかったら顔隠してて」
で、こうやって部屋まで行った。
部屋は二人部屋らしい。
途中、すれ違った女子達がキャーキャー言ってコッチを見てきたけど、なんだと思う?
「会長、水飲む?」
「あぁ……」
会長に水を渡すと、なんとか起き上がってチビチビ飲み始めた。
可愛いなぁ。
それにしても、こんなに酔うもんなんだね。
僕、酔わないからわかんないなぁ。
それから暫くして、漸く回復した会長が窓風に当たりながら、ポツリと呟いた。
「アレ、結構恥ずかしいな……」
「アレ……?
あ、姫抱っこ?」
ソレを前に僕はやられたんだけどね。
「あのさ、下見って結局何するの?」
「特に大したことはしない。
旅館と温泉と、周辺を見て回るだけだ」
「へぇ。
周辺って何があるのかな?」
「山や寺くらいだと聞いたけどな」
山……登山とかするのかな?
寺は?
座禅?
「まぁ、でも親睦を深めるっていうのが目的だもんね、それに一泊だし」
そう言えば部屋割りだけど、僕と会長。
春くんとヤリ男、港醍くんと委員長、兄さんと多胡先生らしい。
ってことはもし日月くんが来てたら、1人だったってことだ。
だって、無男は来ないから。
たまにモジャ男、基、安曇野と一緒に行動してるとは聞いたりするけど。
これさ、リコールしてもいいんじゃないの?
僕がひとりで頭を悩ませていると、不審に思ったのか、会長が僕の前に腰を下ろした。
「どうかしたか?」
不思議そうに顔を覗かれる。
「ううん、なんでもないよ。
それより、会長は大丈夫?」
「あぁ、もう大丈夫だ」
「そっか、よかったね」
そう言って笑うと、会長はなんだか腑に落ちないような表情をした。
「会長?」
「あまり溜め込むなよ?」
「ん……やっぱ、優しいね。
大好き、会長」
会長に抱きついて、少し腕に力を入れると、会長も抱きしめ返してくれた。
幸せだなぁ……
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