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再出発
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黙り込む僕をどう思ったのか、会長が少し悲しそうな表情をした気がした。
“時雨、お前は良いところいっぱいあるんだし、生徒会長になれば皆に知ってもらえるだろ?
やってみろよ”
“まだ迷ってんのかよ……
まぁ、無理強いはしないけど……”
“仕事って大変そうだな。
けどさ、時雨が真剣にやってる姿、好きだぜ?”
“頑張れ”
「…………会長……」
虹が応援してくれるなら……
背中を押してくれるなら……
「やってみるよ」
それに、会長と一緒に仕事できることが一番。
会長の助けになれるなら……
やらない理由はあるけど明確じゃない。
でも、やりたい理由の方が多いし、明確なんだ。
それに何より……
楽しいから。
「改めてよろしくな、篠宮」
ふっ、と微笑む会長に僕も笑みが漏れる。
「ありがと、会長」
やっぱカッコいいなぁ。
「日月くん、春くん、これからもよろしく」
「ええ、よろしくお願いします」
「うんっ、よろしく、時雨くん!」
「えー、しーくん、オレはー?」
「え……居たの?」
「酷いっ!」
「冗談だよ、よろしくね、一応……」
「よろしくねー。
なんか最後聞こえた気がしたけどー」
空耳じゃない?
こうして、生徒会は再出発した。
このリコールで橘がどう出るとか、安曇野の行動がどう変わるとかわかんないけど、少しでもいい方向に進めばいいと思う。
それと、親衛隊の明確なルール作りも本格的に始めていこうと思うし。
あ、そう言えば、僕に親衛隊の申請きてたんだっけ。
何ヶ月もほったらかしてたけど……
………………やっぱ要らない気しかしないなぁ……
「おい、黒澤居るか」
唐突に、ノックも何もなしに扉を開いて、委員長が入ってきた。
ほんといきなりだなぁ。
「ノックくらいできないのか」
「んなもん要らねぇだろ」
「礼儀がなってないな」
「るせぇな、説教される為に来たんじゃねぇんだよ」
委員長は一枚の紙を日月くんに渡した。
「え? あの?」
「親衛隊の申請だ」
「え、え?
僕に? 何かの間違えじゃ……」
「俺も思わず聞き返した」
それ酷くない?
日月くんって可愛いじゃん。
「健気なお前を過激な親衛隊からの制裁から護るために作る親衛隊だそうだ、よかったな」
「で、でも……僕なんか……」
「まぁ、それをどうするかは黒澤次第だ。
俺は忙しいから帰る。
決めたらもってこい」
委員長はそれだけ言うとさっさと帰っていった。
日月くんは困った顔で紙を見てる。
「ルイ……どうしよ……」
「…………いいんじゃないか」
「でも、僕なんかもったいないよ……」
あーあ、ネガティブ発動しちゃった。
暫くなかったんだけどなぁ。
「オレはいいと思うよー?
確かにさー、黒ちゃんって、護りたくなる感じあるもんねー」
「それは同感」
「おー、初めての意見一致。
イエーイ」
「しないよ」
桜井くんとハイタッチとか←
「なんなら秀太郎に聞いてみるとか?」
「………………うん」
あ、ちょっと嬉しそうになった。
可愛い。
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