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部活4
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頭はまだ混乱してる。でも、何か話さなければいけない。この状況から抜け出すためにも。でも、何を話せばいいんだろう…?
話そうとして、やめる。それが何回も続き、目を見ることもできない状態が続いた。
沈黙。何もできず、明かりに照らされて映る木村兄の影を見つめる。
ふと、一歩二歩と影が近づいてくる。未だに状況が飲み込めず、その場から動くことさえできなかった。
そっと、肩に手が触れる。一瞬こわばるものの、落ち着いて、顔を上げる。木村兄は、申し訳なさそうな、それでいて悲しそうな顔をしていた。
「ごめんな、黒嵐…こんなこと、しちゃって…」
「大丈夫…大丈夫だから。ごめんね?その、いきなりで驚いただけなんだ…」
「うん。…ほんと、ごめんな…」
そう言って、ばつが悪そうに部室の中に入って行った。
どれくらい時間が経っただろうか。緊張が解けた今も動くことはできず、突然の出来事で熱くなった体を冷やしていた。
「黒嵐?まだいたのか。もう帰ってないのお前だけだし、そろそろ帰った方がいいんじゃないかー?」
部室から先輩が声をかけてきた。携帯の時間を確認すると、もうすでに8時を回っていた。
「ありがとうございます。お先に失礼します。」
何も悟られないようにそう言って、部室を後にした。
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