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大事な俺の仲間たち
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「何してたの?」
「寝てたんだよ」
「あ~やぁし~~い。浮気?」
浮気、と言われて
脳裏に椎名の悦楽に溺れた
艶かしい顔が浮かんだ。
何でアイツが出てくんだよ!
消えろっ!
消えろエロバカっ!
ナムアミアーメン!
淫魔退散!
「は、はぁ?アホか!
付き合ってねぇのに
浮気もクソもあるかっつの」
俺は冷静を装い
できるだけ淡々と答えた。
「まぁいいや。
……ね、久々に私に会えて嬉しい?
寂しかった?」
「つい最近ドラマの打合せで会っただろ?」
「ひどーい!2週間も前の話じゃない!」
「2週間は最近の仲間じゃね?」
俺と美緒のやりとりを
黙って見守っていた和臣に意見を求める。
「仲間かどうかはわからないが、
仲良くしたほうがいい」
「………大人だ」
「………大人ね」
俺と美緒の反応に
和臣は笑顔で応えた。
「二人とも、仕事忙しいのか?」
「んー…まぁボチボチ」
「なーぁにがボチボチよ。
家に帰る暇すらないくせに」
「文化祭中は休み取れたんだろう?」
「いや、俺は撮影が入ってる」
「文化祭っていっても
私たちは仕事みたいなもんだしね」
そう、
俺たちは羽根を伸ばしに来たわけじゃない。
今回のドラマの番宣になるから、と
今年のキングとクイーンに
それぞれ選ばれるため
事務所から参加を強要された。
ま、十中八九
美緒の入れ知恵だと思うけど。
「恭介、投票ちゃんと私に入れてくれた?」
「入れた入れた。二重マルつけといた」
「何か嘘っぽーい………
和ちゃんは?私に入れてくれたよね」
「勿論だ。今年のクイーンは
倉敷以外に考えられない」
「そうでしょ、そうでしょ」
和臣の言葉に満足した美緒は
天使の輪がキレイに入った髪をかきあげた。
『お前らぁ、静にしろー』
がたいの良いゴリラみたいな体育科の先生が
マイクで静粛を促す。
「ほら、始まるぞ。自分の列に戻れよ」
「じゃ恭介、あとでステージの上でね」
片手を上げて応えると
美緒は自分の場所へ颯爽と戻っていった。
「恭介」
美緒の背中を見つめていた和臣が
突然、俺に向き直った。
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