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根も葉もない噂は信じちゃダメ
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「やっぱ告白だった?」
「あ!あ―――…………」
そうだった。そもそも僕は
坂崎先輩に呼ばれてついていったんだっけ。
「おめでとー!よかったじゃん。
願いが叶って」
山下がバンっと僕の背中を叩いた。
願い……?
まったく意味がわからない。
「付き合うんだろ?憧れの先輩なんだし」
「憧れ?誰が……誰に?」
「椎名が……坂崎先輩に?」
「…………………………何それ」
「え?椎名って坂崎先輩が
好きなんじゃないの?」
はあぁ?
なにがどうなったらそうなるんだ!?
呆気に取られていると
二人は顔を見合わせた。
「………ほら、
やっぱり違うっつったじゃん」
「えー、絶対そうだと思ったのに」
「なに?何の話?」
「いやー…」
鈴木が気まずそうに
頭をかきながら話し始めた。
「椎名って頭いいじゃん?
もっと上の高校狙えたのに、
何でわざわざ
格下のココにしたのかなーって」
「噂になってたんだよ」
山下が鈴木の話を引き継ぐように
語尾を拾う。
「違う高校のダチに聞いても
イジメがあったわけでもなさそうだし、
家から近いのかとも思ったけど
お前んちってけっこう距離あるし……んで、
もう理由はあれしかない、と……」
「あれって?」
「「好きなヤツを追いかけてきた」」
声を揃えながら二人に詰め寄られ
当たらずともいえ遠からず、の答えに
僕は思わず言葉に詰まった。
お前らは某メガネっ子バーロ少年と
関西人バイク浅黒高校生のコンビか!?
「椎名と同中は坂崎先輩しかいないし、
そうなのかなーって……
巷で噂になってたからてっきり」
山下はそう言うと肩をすくめた。
『噂』
確か坂崎先輩からも
そんな単語が出てきてたような……
つか、噂の根源はお前らじゃないのか?
「実際のところどうなの?」
「……なわけないだろ」
鈴木の質問を否定すると
「じゃあ何でココに入学したわけ?」
山下が芸能レポーター並みの速さで
切り返してきた。
「祖父がこの高校出身なんだ。
遺言でここへ入るように言われたから」
「あー!なるほどね!」
「謎がとけた!」
僕の雑な嘘に納得したのか
二人は揃って手を打った。
ホッと胸を撫で下ろし
早く二人が行ってくれないかと
念を送っていると
「つかさ、
さっきから気になってたんだけど」
鈴木が僕の胸元に顔を近づけてきた。
「これってさ、周防先輩の香水じゃね?」
――――ヒュッと喉の奥が鳴る。
うそ、バレた…………?
何で…
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