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甘い誘惑
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悪魔的な彼の笑顔に
思わず見とれていると
「…………あんまジロジロ見んな」
先輩はそう言って
また正面を向いてしまった。
「ジ、ジロジロなんか見てませんっ」
「見てた」
「見てませんっ」
「……チッ、可愛いくねーな………」
「男に可愛いだなんて言われたら
おしまいです」
「あの時はスゲェ可愛いかったのに」
「あ、あの時……って」
ドッドッドッ………と
心臓が激しく鼓動する。
先輩はそんな僕の耳元へ
顔を近づけてきた。
「今朝のこと………」
先輩の低く囁く声で
脳が揺れる。
「忘れてんなら……
思い出させてやろうか?」
誰にも見えないように
手で口元を隠し
先輩は軽く僕の耳たぶを噛んだ。
「………んっ………せんぱ……」
あの時と同じ
甘く痺れるような刺激が
全身を駆け巡る。
ここがステージの上だということも
忘れてしまうくらい
僕は先輩に
心魂を傾けた。
もしもこの場所に
二人きりだったら
先輩の首に腕を絡めて
自分から
キスをしていたかもしれない。
「なんなら、
今すぐここで続きでもする?」
………続き……?
「け………けっこうです!」
我に返ると
腕で先輩を押し退け
息を整えながら2、3歩離れた。
「やっぱ可愛いくねーな、お前」
先輩はクックッと
喉の奥で笑った。
…………っ!!
人のことを
からかうなんて……最低な奴!
あ――――――っもう!
正気に戻れ!僕!
『キスしちゃうかも』!?
ないないないない!!
あり得ない!!
きっと
街で買い物してたら
芸能人と偶然ばったり会って
そこまで好きじゃなかったけど
『握手してくださーい』
なんて言ってみたら
イメージよりもすっごくいい人で
笑顔で対応してくれた瞬間に
『あぁもう、凄い好きかもー!』なんて
大ファンになっちゃうような
そんな心理状況だったんだ!!
どうかしてたんだよ……
…………やっぱりここは
丁重にお断りしよう。
これ以上この人と関わったら
自分が自分じゃなくなる。
絶対。
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