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『周防恭介』営業中
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校舎のど真ん中が
吹き抜けになっている中庭
4棟に分かれている校舎をすべてつなぐ
役割を果たすため
この学校で一番人が集まってくる
いわば心臓みたいな場所だ
中庭に立って上を見れば
四角にくり貫かれた空が望める
いつも以上に
人が群がるその中心に
僕らはいた。
「恭介ー!鍵見つけたよぉ」
「一生懸命探してくれたんだ
ありがとう、嬉しいよ」
「恭くん!私も!」
「私が先よ!」
「そう慌てるな
綺麗な肌が傷つくよ?
じゅ・ん・ば・ん………な?」
周防先輩が
キラキラと笑顔を振り撒き
女の子の頬に手を添えて顔を近づけると
『キャー!!』と黄色い悲鳴が
巻き起こった
おいおい……
何ファンサービスしてんだよ。
何が『キャー』だよ
いきなり180度展開が変わって
悲鳴を上げたいのはこっちなんだよ
つか、逃げてるんじゃないの?
僕たち
体育館から
すごい勢いで逃げてたよね?
さっきまでプレハブ小屋に
隠れてたよね?
じゃあ何でわざわざ
自ら穴に落ちるような真似を……
そこまで考えて
はっと気づいた。
―――僕といっしょにいたくないから?
早く手錠の鍵を開けるため?
「し、椎名くん」
振り返ると
鍵を握りしめた男子が立っていた
「あ、あの………
もしも鍵が開いたら僕とつきあ」
僕の後ろから
長い腕が伸びてきて
男子生徒から鍵を奪うと
ガチャガチャと鍵穴に突っ込んだ
「はいアウトー」
「せ、先輩!」
「次はどいつだ?」
先輩は鍵をポケットに直すと
ダルそうに言った
おいおい……
さっきの底抜けの笑顔はどうしたんだよ
「お、俺おれ!椎名!
鍵開かなくても俺とつきあっぶふぅっっ!」
先輩は僕の手を握ろうとした
男子の顔面に靴底をめり込ませた
「1ミリでもこいつに触ったら
殺しちゃうよー?……はい次ー」
わらわらと集まる男子を
僕に近づけないようにして
先輩はめんどくさそうに
時折イライラしながら捌いていった。
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