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黒い二連星
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「おっ、椎名だ!」
山下は入り口から走り寄り
僕の肩に腕を乗せた
「や、山下………重い……」
うそだろ……
タイミング悪すぎだよ!
つか神様も
どんだけ空気読めないんだ!
「うわー、ホントに繋がれちゃってる!」
鈴木はゆっくりと僕らの所へ来ると
テーブルの上の手錠に触った
「すげぇ、これって本物!?」
僕と周防先輩の手をまじまじと見ながら
鈴木と山下は僕を挟むように座った
えっ?何で!
もしかして居座る気!?
「周防先輩!はじめまして!
俺、椎名の友達の山下っていいます!」
「俺は鈴木っす!」
二人に握手を求められた先輩は
キラキラの笑顔で応じた
今まで僕に男が近づくだけで
不機嫌全開だったのに
女子に見せるような営業スマイルに
急に距離が開いたような気がして
すごく不安になった
お前ら、頼むから………
余計なことは言うなよ……
「つか、マジでクイーンに
選ばれちゃうなんてスゲーな、お前」
「票を入れた俺たちのおかげ?」
ギャハハと手を叩きながら笑う二人の頭を
持っているフォークで
何度も突き刺す妄想をした
「しかも、途中で坂崎先輩が現れて
チョー萌えたんですけど!」
「あの時なんて言われたんだよ
『僕の椎名くんは絶対に渡しはしない!』
…………とか!?
ギャ――――っ!愛の騎士じゃね?」
「つか、フラれた後に
無理やり人のモノになっちゃうとか
マジ悲恋なんですけどーっ!」
「椎名も
『やっぱり坂崎先輩のこと……好き』
なぁんて思ったんじゃねーの!?」
……………前々から
この二人はバカだと思っていたけど
毛細血管の隅々まで
バカが浸透してるなんて思わなかった
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