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最後の砦
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俺は手錠の鎖を切るために用意した
大きめの切断器を置いた机を挟んで
椎名と対峙した
「なにを……言ってるのか……
よく、わかり………ません……」
椎名は弱々しく
言葉を絞り出した
「勘違いすんなよ
『抱く』って言っても
今までみたいにただ触るだけなんて
中途半端なことは一切しない」
椎名の目は驚愕で溢れた
「お前に知識があるとは思えねぇから
参考までに教えとくけど
初めての肛淫なら
内側や入り口が裂けて
怪我をするかもしれない
ま、潤滑剤を使えば
少しはマシかもな」
俺はクックッと
低く笑った
――――きっと何を言われているのか
ほとんど分かっていないだろう
時間をかけて柔らかく
融かしていくつもりだった
椎名が男とやったことがない以上
俺自身を中に沈めるには
本来ならば
もう少し時間が必要だった
今まで快楽の波に乗りながら
惑乱する最中でも
椎名に対して最大限の配慮をして
俺なりの愛を
示し続けてきたつもりだ
けれど………
「お前が痛みで叫ぼうが
恐怖ですすり泣こうが
……俺は絶対にやめない
俺が気持ちよくなるだけの
一方的なセックスだ」
俺は最後の砦を
粉々にブチ壊した
「さぁ、選べよ」
俺のセリフに
椎名の体はビクッと震えた
俺は残る
1%の理性で提示する
「前者なら、
そこのでかいニッパーで鎖を切って
ここから出ていけ
…………後者なら」
ギラギラと鈍く光を宿した
汚れた自分の瞳を
椎名の綺麗で純粋な黒い瞳に
近づけた
「俺の上に股がってキスをしろ」
――――じゃあな、椎名春馬
早くここから飛んでいけ
俺がお前を壊し汚し尽くす前に
お前が俺に傷ついて泣き崩れる前に
頼むから
消えてくれ
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