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『お邪魔しまぁす…………』
女子の声……気配は2人か……
二人して身を床に張りつけ息を殺し
様子を伺っていると
叫び声とともに
すぐそばの壁へ何かが激突し
回転しながら
椎名の目と鼻の先で止まった
恭介の気が変わって鎖が切られないよう
椎名が部屋の片隅へ投げ捨てた工具だった
何で入り口の方へ投げてしまったのか、と
椎名は己の行動を呪った
取りに来るんじゃないかと
ヒヤヒヤしていると
また叫び声が聞こえた
騒がしい奴等だな………
早くどっかに行けよ、と
恭介が念じていると
「さ、坂崎先輩!
………もーぉ、脅かさないでくださいよ!」
『坂崎』という名前で
椎名の体がビクッと反応した
その反応に
恭介も反応する
「――――………チッ」
恭介は舌打ちをし
止めていた動きを再開させた
「………――――っ!………っ!」
椎名は恭介の行動に
目を戦慄かせた
「お前は………今……
誰に抱かれてるんだ?」
「………―――っ!っ!………っんぅっ!」
中の音が漏れないように
責め立てる恭介は
自分を見ろ、と言うように
快感に悶えながら
硬く閉ざす椎名の瞼を舐めた
「言ってみろ………誰だ……?」
恭介は答えを聞くために
口を押さえつける力を緩める
「周防……せん……ぱ……い」
「……だよなぁ……じゃあ
どういう了見で他の奴に反応してんだよ……」
「…………んんっ!……んっ!」
「俺に……嫉妬させて……
………煽ってんの………?」
耳元で自分を嬲る恭介の言葉と
下から繰り返し突き上げる激しい抽挿
人に見られてしまうかもしれない
緊張感と
それでも構わないと思うほどの
快美感に
椎名は何度も小さく極まり
意識を手放しかけた
「あいつらに見せてやろうか
俺の精液でドロドロになりながら
イキまくってるお前の姿を」
恭介の言う世界が
頭の中で広がり
イヤらしく悶える自分を想像して
また昇りつめていく
椎名は惑乱する自分を否定するように
首を横に振って懇願した
「イヤなら………俺に集中しろ」
ようやく恭介の攻め立てから解放され
声が漏れないように
椎名は息を整えた
「周………防せんぱ」
「『恭介』」
教室から出ていく物音を聞きながら
恭介は考え、口を開いた
「…………いや、さっきの『恭』ってやつ
………あれがいい」
「…………『恭』?」
途中までしか
言えなかっただけで
意図的に呼んだつもりがないけれど
それでいいのか
と、聞いたつもりで椎名が口にした名前に
恭介はふっと優しく笑った
「可愛い」
チュッと短くキスをされ
椎名はかぁっと顔を赤く染めた
「………恭……」
「……………うん」
「………欲しい……恭が……欲しい」
「…………………うん」
「………恭じゃないと………ダメ……
………だからお願い………」
『そばにいて』
続きの言葉を放とうとした椎名の唇を
恭介は灼熱のキスで焼き閉じた
来客者たちが遠ざかっていく足音も
もう二人の耳には届いていなかった
誰も邪魔できない………
させないくらいに互いの体を密着させ
鎖に繋がれた手を絡めながら
今度こそ
自分達の欲望に溺れていった
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