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告白
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――――たぶん先輩は
僕が怖いんだと思う
僕の存在が怖くて
そばにいられないんじゃないだろうか
何故
怖いんだろう………
先輩は
僕の何を恐れているんだろう……
疑問が疑問を呼び寄せ
答えを霞めさせる
――――ただ、
1つだけわかったことは………
「………言えないんですか?」
「………………………」
「何で言えないんですか?」
「…………何だよお前
日本語わかんねぇの?
あーだから
さっきから黙ってたのかー」
「恭先輩」
先輩は体をビクッと震わすと
服が擦れる音をたてながら
右手で顔を覆った
「頼むから………もうどっかに行けよ……
手遅れになる前に
…………俺の前から消えてくれ」
大切なことを
今言わなければ
この先
僕は後悔し続けることになる
それだけだった
「先輩が言えないのなら
僕が代わりに言いましょうか?」
「な………何……を?」
僕は鎖から足を退けると
先輩の背中に顔を埋めて
後ろから抱きしめた
驚いた先輩は
僕の腕から逃れようと体を捩る
「逃げないで」
僕の言葉で動くのをやめた先輩の体を
さらにぎゅっと抱きしめると
背中ごしに
先輩の鼓動が速くなるのを感じた
――――もっと
違う言葉はないのかな
『好き』という言葉じゃ
収まらない僕の想いを
この人に
どうやって伝えたらいいのか
それでも僕は
ありったけの想いを込めて
ありきたりな言葉を使って
伝える方法しか思いつかなかった
「………あなたが
……………………好きです」
誰か教えてほしい
『好き』とか
『愛してる』の最上級は
いったい
どんなかたちをしているのかを
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