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知らない足跡【side/真柴和臣】
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「あ、真柴くん!」
廊下を急ぎ足で歩いていると
窓際で雑談している同じクラスの女子に
呼び止められた
「どうしたの?そんなに慌てちゃって」
「恭介、見なかったか?」
俺は少し乱れた息を整えながら
本日7度目となる質問をした
「周防くん?
周防くんなら……今さっき
例の椎名って子とイチャイチャしながら
目の前を通ってったよ?」
イチャイチャ……?
あの恭介が?
というより、
いったい………
恭介の身に何が起こっているんだ
一度目の質問の時には
「恭介先輩なら
すんごいキラキラ笑顔で中庭にいましたよ」
(一年生女子・恭介フリークの証言より)
三度目は
「大変なんだよ!
恭くん、一年のクラスで
後輩の男子を絞め殺したって!」
(三年生女子・噂大好き!の証言より)
「え?俺は周防が椎名くんを
フォークで突き刺したとか聞いたけど?」
(三年生男子・椎名くんラブの証言より)
六度目には共通して
「周防恭介がキレながら
椎名春馬を連れて何処かへと消えた」
そして、
このイチャイチャ目撃情報………
あの冷静な頭で
俺や美緒すらもあしらい
不敵に身構えたまま
誰にもなびかず、
その心をけして他人には晒さない
今朝まで………いや、
たぶん昨日までは
それが周防恭介だったはずだ
「ハートが飛び交って
スゴかったんだから!
なんか寄り添っちゃって
…………今にもキスしそうな感じ?」
――――これは本当に
俺の知っている
『周防恭介』なのだろうか
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