アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
『周防恭介』降臨【side/椎名 春馬】
-
「なぁー、一回だけでいいから
………ちゃんとやって?」
恭先輩は僕に
わたあめを食べさせるように
しつこく催促してきた
―――もぉやだよ………
恥ずかしいもん………
僕は照れ隠しに
先輩の手からわたあめを奪うと
そのまま割り箸ごと
先輩の口に突っ込んだ
「おまっ……はにふんはほ!」
文句もまともに言えないくらい
わたあめを頬張った先輩を見て
面白くて堪らず
クスクスと笑う
僕もけっこう
サディスト気味だったんだなー…
知らなかった
―――突然、僕の耳に『パンっ』と
乾いた音が聞こえた
何だろ………
教室を覗くと
お祭りの縁日みたいに飾られていて
金魚すくいや
ヨーヨー釣りのなかに
それはあった
「あ、射的………」
先輩は割り箸を歯に噛んで
プラプラ揺らしながら
『どれどれ?』と
僕の肩に腕を乗せて覗いた
先輩に押されるように室内に入ると
突如と現れた『周防恭介』に
その場にいた女子が
「キャ―――――ッ」と
悲鳴を上げながら群がってきた
「周防先輩!
私、鍵見つけたんですよ!」
「おー、そっか……頑張ったな」
「私も私も!
はぁ……開くかな!
開いたらどーしよー!」
『周防恭介』は僕から腕を退かすと
「この中にホンモノが
あるかもしれないなんて
……俺も……ドキドキする……」
悩ましく栗色の髪の毛をかきあげ
例のキラキラの笑顔で
ウインクをした
「き、キャ―――――――ッ!♪」
―――――――――――
―――――はぁ?
『バカ犬モード』突入ですか?
……つか、この人
僕の神経を逆撫でするの
ホンッッッ……………とに
得意だね
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
101 / 469