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『周防恭介』愛劇
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「………こんなにも
お前を想ってるのに……
何でお前と
離れなきゃいけないんだ……」
先輩は甘いため息をつき
性的な刺激を感じさせる視線を
僕の唇に浴びせた
周りのみんなは
先輩の次の行動に
息を潜めながら期待する
「お前のいない人生なんて
耐えられない………」
切ない顔をしながら
僕の唇のすぐ横に『チュッ』とキスをした
「きゃあぁぁあぁあぁ――――!!」
それを見た女子が甲高い声をあげて
悶えるように崩れていく
『きゃ――――――!』
僕も心の中で叫んだ
「……椎名………愛してる
どんなことがあっても
……絶対に…お前を離さないっ!」
うるっと目を潤ませながら
先輩が僕の肩に顔を埋めると
女子たちは
大事そうに持っていた鍵を投げ捨てて
泣きながら僕達を見つめた
「………周防先輩っ!大丈夫です!
私たちは先輩の味方です!」
「周防くん……
恋愛に性別なんて関係ないよ!
応援してる!幸せになってね!」
「鍵も……探して回収するから!
安心して!ね!?」
「ありがとう……みんな………っ!」
「……………………」
―――――なんか、スゴく嫌な予感
恭先輩の顔に
ソロソロと視線を送る
恭先輩は
一瞬だけ目を僕に向け
『ニィッ』とイタスラッぽく笑った
この人……っ!
まさか演技なの!?
さ…………最低!!
「は、離してよ!バカ!バカ犬!」
「はぁ?だから犬ってなんだ」
「うるさいっ!エロ犬!タコ犬!
僕のときめきを返せ!」
「最後の、もう犬じゃねぇし!
……つか、
…………ときめいたの?」
「……っ…………」
「ドキドキ……した?」
「してない!」
「可愛い……椎名……」
―――何だかんだ言っても
頭の切れが半端なく良い恭先輩は
やっぱり状況を瞬時に判断して
一手二手先を読み解き
僕が想像もしていなかった結末へと
導いていく
悪く言えば
先輩の目論みに
利用されてしまったのかな………
―――可愛い、と言って
抱きしめてくる恭先輩を
足で蹴りながら
追い払おうとした僕の耳に
先輩が囁いた
「………俺
何一つ、嘘は言ってねえよ」
「……………っ!」
「…………愛してるよ、椎名
お前なしじゃ、もう……
生きていけないくらいに、な……」
……………バカ
―――こんな最低男に
ドキドキしちゃうなんて……
僕は………バカだ………
僕が恨めしそうに
先輩を睨むと
天才的『たらし』の『周防恭介』は
フッと優しく笑って
妄想に明け暮れる女子の目を掻い潜り
恭先輩の姿に戻りながら
僕の唇を奪っていった
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