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放送ジャック
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『えー、あー、………コホンッ
……こんにちは、周防恭介です』
「恭介?」
突然の『周防恭介』の登場に
校舎中がどよめきで揺れ
全員の視線が
スピーカーに注がれた
『えー、皆さま、
文化祭を楽しんでいますでしょーぉか……』
楽しんでる~!
と、至るところから
恭介への返答が聞こえる
『一部の方にはもう
お話をさせていただいておりますが
やはり、ちゃんと公言させていただきたく、
この場をお借りいたしました
えー!……わたくし、周防恭介は
………あっ!てめぇっ!
何す『ケケケケケケッ』
ピ―――――ガガッ……プツッ…』
放送を聞いていた全員が
呆然とする中
「……何してんのよ、あいつ」
美緒は人知れず
苛立ちを募らせていた
『………ガガッ………
え――――!
わたくし!周防恭介は!
……椎名春馬くんとお付き合いをしっ!
生涯、彼を愛し、尽くすことを
ここに誓います!』
一瞬の静寂のあとで
校舎中が再びどよめきと歓声で
大きく揺れた
「うっそ!これマジなやつ!?」
「違うでしょ~、演出でしょ~」
「……………………」
『ですのでー、
今後、椎名に手ぇ出してくる奴はー、
俺にフルボッコなんでー、
命が惜しかったら、近寄らないよーうに!
以上!』
チャイムが鳴り放送が終わっても
与えられた架空の設定に
みんな面白がり、
冷やかし茶化す声を辺りに散らかしていたが
美緒は
恭介が本気であると
すぐに察した
「椎名……春馬」
ライバルの名を口にする
美緒のスマホが揺れた
それは
美緒が恭介を手に入れるために
用意したモノの
準備が整ったことを知らせるメールだった
―――恭介が誰を選ぼうが
この際、関係ない
私は
私のやり方で
周防恭介を奪いにいく
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