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俺の『彼氏』【side/周防 恭介】
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「おい!
椎名まで連れてきてどーすんだよ!」
俺は覆い被さっている椎名が
座席から転げ落ちないように
抱きしめなから言った
「社会見学や!」
「はぁ?」
「つか、お前こそわかってんのか?
……今日は絶対に遅刻できへんぞ!」
「うっせーな、わかってるよ………っ!」
くそ、よりによって
何で今日なんだ………
「メガネっ子、悪かったな
あとでちゃんと家に届けたるから
しばらく付き合ってくれ」
「はい、僕は大丈夫です」
椎名は俺と目が合うと
にっこり微笑んで
「先輩がいつまでも
僕を離してくれないからですよ……」
囁くように言った
うっ……………
それは……そうなんだけど………
椎名は俺の上から退くと
俺の手を掴んで起きるのを手伝った
――――なんか、
時間が経つにつれて
立場が逆転しているような気がする
初めて会った時から
顔に似合わず男らしいな、
とは思ってたけど
これじゃまるで
俺が『彼女』みたいになってる
あぁ、ダメだダメだ!
天下の『周防恭介』が
年下の男に
オタオタ、オロオロ
タジタジ、メロメロなんて………
…………椎名、
背骨だけでもいいから
俺に返してくれないか?
「あ――――――っ!思い出した!」
突然、尾野っちが
運転しながら叫んだ
「な、なんだよ!
いきなりびっくりするだろ!?」
バックミラー越しに椎名を見ると
やっぱり……、と小さく呟く
「メガネっ子!
俺、お前に会うてるやんな!」
「え?」
「は?」
「ほら、1週間前!
『都内のバー』で!
ほらほら、
『真夜中の合コンパーティー』!」
……………………ホワッツ?
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