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尾野 帝の日常(君に・苛立つ)
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行きとは真逆に
車内に
沈黙をたっぷりと乗せながら
俺は車を走らせていた
恭介とメガネっ子は
マイキーの撮影に疲れきった様子で
イチャイチャすることもなく
お互い顔を違う方へ向けて
ぼーっとしている
――よほどの精神力を
使わされたんやろうな……
…………俺は
さっきの真柴和臣の言葉を思い出し
一人苛立ちを募らせていた
『俺たちって、付き合ってますか?』
わざわざかけ直して
聞く内容か?
せっかく仕事の合間に
電話したったのに……
あー萎えるわ………
気分が晴れない俺のスマホが揺れた
Bluetoothに設定していたナビに
相手の名前が浮かび上がる
はずだったが、
浮かび上がったのは
『ガバガバ青年』
昼間に相手した男の連絡先だった
やば…………
無視無視………
保留に切り替えてから
通話を切って
相手に
『気づいてるけど
今は無理やねん』
と、信号を送った
しかし、
『ガバガバ青年』は
お構いなしに
しつこく電話をかけてくる
あ――――っ!
どいつもこいつも、何やねんなっ!
「恭介、悪い
ちょっと電話かけさせて」
俺は車を路地に止めて
無反応の恭介を残し
車から降りた
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