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浮気現場
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「春馬―――、行くぞ―――」
玄関で靴を履く昴の後ろで
僕はポケットに直した携帯を
もう一度取り出し
開いてみる
恭先輩から
着信もメールも、ない
まだ寝てるのかな………
仕事、忙しいのかな…………
「それ、朝から何回目?」
「え?」
「携帯とにらめっこ
最近、ずっとやってる」
「べ、別にいいでしょ」
「…………………」
玄関の鍵を閉め
花に囲まれた階段を少し降りて
家の鉄扉から表に出る
「春馬、ネクタイ曲がってない?」
「知らない」
「えー、見てよ」
僕はため息をつき、
昴のネクタイを結び直す
「いってらっしゃいの、チュウは?」
「はあ?バカなの?
するわけないでしょ、さっさと行けよ」
「ケチ」
昴が拗ねると
僕のポケットが
小刻みに振動した
恭先輩だ!
僕はいそいそと携帯を手に持ち
ドキドキしながら通話ボタンを押した
「も、もしもし!」
『……………………』
「せ、先輩………?
おはよう、ございます……」
『………………』
あれ、聞こえてないのかな
「『少し目を離した隙に浮気か?』」
……………え?
声がダブったように聞こえて
キョロキョロすると
家の前の電柱の影から
ファッション雑誌から
飛び出してきたような
最高にカッコいい私服姿の
僕の大好きな恋人
周防 恭介が現れた
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