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密会【side/周防 恭介】
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「…………そうか、
サンキュな、和臣………助かった」
俺は和臣からの電話を切ると
ベッドに横たわり
震える両手で顔を覆った
――――――――
………あのバカ……
近づくなって言ったのに………
いつも変な時に『彼氏』を
登場させやがって………
お前に何かあったら
俺……生きていけねぇよ………
ダメだ………
体の震えか止まらねぇ………
お前がそばにいないのが
こんなに怖いなんて………
……………………………
……………………………っ
俺は勢いよく起き上がると
自分の拳で
頬を思いきり殴った
口の中に
血の味がみるみる広がっていく
――――怖がってる場合じゃねぇ
考えろ、恭介
――――――――――――
別にボイスレコーダーを
当てにしてたわけじゃねぇけど
もう少し節操のあるやつだと思っていた
俺が間違っていた
『白竜会』を後ろ楯にして
強気になってるアイツらしい行動だな……
念のために
和臣に頼んでマークしてもらっといて
正解だった
『俺を好きにしろ』とは言ったが
『怒らすな』とも言ったはずだぞ、
ふざけやがって………
すべて片付けたら
ぜってぇぶち殺してやる
――――龍治………
坂崎が椎名を狙ってる以上
椎名に
手を出してくる可能性は低かったが……
今の電話の内容だと
もう無理だな
アイツが
俺か椎名の前に現れんのも
時間の問題……
早いとこなんとかしねぇと
これ以上、
椎名に何かあったら
本末転倒どころの話じゃねぇぞ……
「珍しいね、
君が頭を抱えながら悩むなんて」
鬱陶しいくらいに長い髪の毛から
ぽたぽたと水滴を滴ながら
シャワー室から裸で出てくる男を
俺は一瞥した
「………さっさと服を着ろ、見苦しい」
「え、これでも腹筋割れてるよ?」
そう言って男は腹筋に力を入れ
ボディビルダーのような
ふざけたポーズを取った
「自信があるなら
このクソみたいなラブホから
今すぐ蹴り出してやるから
通行人にでも見てもらえよ」
「相変わらずのサドっぷり
…………ゾクゾクしちゃうね」
男はバスローブを羽織り
備え付けの冷蔵庫からビールを取り出すと
一気に飲み干す
「く――――っ!
やっぱ仕事中のビールが一番美味しい!」
「おいコラおっさん、
酔った頭で俺とやり合うつもりか?」
「おっさんって………僕まだ20代だよ?」
「あと何日かの命だろ」
「僕の誕生日、覚えてくれてたんだ!
嬉しいなぁ………
でも、何で今さら?
こっちからの誘いをことごとく
断ってきたくせに
…………例の、
『椎名 春馬』くんのため?」
「……約束、ちゃんと果たさなかったら
お前をあの世の果てまで
追いかけて殺すからな」
「お―――、こわ………
わかってるよ
『椎名 春馬』くんには
有能な護衛をつけるように
さっき話はつけたから
今ごろ、学校に潜入してる頃じゃない?
ま――……どんな理由であれ、
………こちらとしては
君から抱かれにきてくれたのは
ありがたい話だし
このくらいしてもお釣りが出るよ」
「………下らねぇ前フリはいいから
さっさと始めようぜ
お前といるだけで吐き気がする」
俺はジャケットを脱ぎ捨てると
テーブルの上に置かれた
ビールの空き缶を払いのけて
用意した資料をばらまき、
男に向かいへ座るよう促した
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