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脱衣室で……【side/椎名 春馬】
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「わぁ!やっぱり
素敵な露天風呂ですねー!」
「そ、そうだな………」
真っ赤な顔で
フラフラする恭先輩の手を引きながら
燈籠の灯りに照された
檜の香りが充満する露天風呂へやってきた
まだ完全に
日は落ちていなかったけれど
外から露天風呂が見えないように
囲まれた木々から
巣へと還る準備を始める
鳥の鳴く声
緑の濃さが薄れた草むらからは
空気を静かに震わすような
鈴虫の音色が聞こえ
空には星が瞬き始めていた
――――大胆な誘い方、しちゃったかな
もちろん、話をしながら
先輩を癒すのが目的だけど
ここなら、
先輩と『そういう雰囲気』に
なれるかな、なんて
淡い下心………も、あった
「入り……ましょうか………」
「………………うん」
――――…………っ!
『うん』だって!
『あぁ』とか『そうだな』とかしか
言わない恭先輩が…………
可愛い…………
併設された脱衣室で
並んで服を脱ぎ始める
シャツを脱ぎ、
Tシャツとズボン姿になった僕は
チラッと恭先輩を見た
―――――…………あれ?
恭先輩は
ここへ来たときと
全く一緒の格好をしたまま
ぼ――――っと突っ立っていた
……………………
「脱がないんですか?」
「……あぁ、脱ぐよ…………」
―――じれったいな…………
「僕が脱がせてあげます」
「は、はぁ!?
い、いい!自分でやるから!」
「遠慮しなくても……」
と、先輩のシャツを掴もうとしたとき
先輩は僕の手首を乱暴に掴み
端正な顔をグッと近づけてきた
――――な、なに?
いきなり積極的なんですけど……
「お前…………その首のアザ、
………………どうした?」
先輩は目を見開き、
僕の首の一点に視線を集中させた
僕は反射的に
掴まれた手を振りほどいて
首を手で隠し、
先輩と距離を取った
―――――しまった………
まだ、
消えてなかったんだ…………っ!
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