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妄想大好き
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山下が自分の名前を口にしたけど
聞こえないふりをした。
…………下らない。
「え、ズルくね!?じゃ~俺も!
椎名ちゃん、もし俺と選ばれたら
結婚してね?」
「やっぱ椎名はクイーン側だよな」
「当たり前だろ?
どこをどう見たって女…………
あれ?椎名ちゃん、
男子の制服なんか着ちゃって
どうしたの?コスプレ?」
教室にどっと笑いが溢れた。
ああぁ~~~~~~~~~!!
下らない!
下らないしウゼェ!!
僕はケーキを1ホールずつ両手に乗せて
勢い良く振り返り
バラエティ番組のパイ投げのごとく
二人の顔をめがけて投げつけた!
「誰がクイーンだ、誰が。あ?
文化祭だからって
はしゃいでんじゃねぇよ、ガキが!
下ネタ通り越して結婚とか言って
お前らの考えが女々しいっての!
怒ってる?
いやいやいや、
呆れてんだよ。
民主主義国家だからって
何でも許されると思ってる
お前らの脳天気ぶりにな!
僕を女扱いする前に
法律改正して出直してこい!」
と、二人に向かって捨て台詞を吐き
その場を去る自分の姿を
妄想した。
………………え?
はい。
妄想ですが、何か?
ケーキなんて投げつけるわけ
ないじゃないか。
妄想でもしてストレス発散しないと
やってられないっての。
クラスの奴等は
大体オンナネタが出てくると
必ず
着地点に僕を持ってくる。
毎回同じようなパターンで
もはやお家芸に近い。
『容姿が男らしくないわけじゃないけど
雰囲気が色っぽい』
とか
『メガネがエロい』
とか
『とにかくエロい』
などと言われて
争い事は嫌いだから
あえて反論はしないが
(できないわけじゃない、
あ・え・て・しないんだ)
内心ムカついていた。
僕のどこがエロいんだ!
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