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めんどくさいな
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知らない顔。
上履きが青色ということは
3年生か。
自分は相手のことを知らないのに
相手は自分のことを知っているなんて
主導権を握られているようで
気分的にいいものじゃない。
「…………僕に何か」
「ここじゃ話しにくいから、
一緒に来てもらえるかな」
そう言って優しく微笑んだ彼は
しゃがんでいた僕にスッと手を差し伸べた。
うそ、マジ?
と教室内がざわつく。
……噂をすればなんとやら、
なのだろうか。
こうして学校生活の中で
あるいは登下校中に
声をかけられ
告白されることが多い(モチロン全員男)。
その時の相手の様子は
顔が強ばっていたり
緊張で声が震えていたりするけれど
この人の場合はなんだか違う。
落ち着いていて
余裕みたいなものを感じる。
もしかしたら
こちらが考えているような
内容ではないのかもしれない。
………ま、どっちにしろ
この人の言う通り
場所を変えたほうがよさそうだな。
彼の手を無視して立ち上がった僕は
残りの作業を近くにいた
クラスメイトに託して
甘い香り漂う教室を後にした。
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