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顔はタイプかも
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面と向かって
『好き』とか言われた訳じゃない。
なんとなく、
言葉の節々にそんな感情を垣間見る。
そりゃ俺だって男だし?
美緒と付き合ったら…なんて
想像した事もあるけど
……無理。
全然たたないしムラムラしないし
妹とかそんな風にしか感じない。
もちろん大切にしたい、とは思ってる。
俺を支えてくれた数少ない友人だし
できることなら気持ちに酬いたいとも思う。
けど、
今さら女として扱えないし
今の関係を壊したくない。
だからといってこのまま美緒の気持ちに
気づかないふりを続けるのは
………無理だろうな。
憂鬱な気分から解放されたくて
以前より学校へ赴く足取りが重いのは確か。
美緒を避けてるのも事実。
だけど、
学校も友達も人気も名声も
失いたくないなんて
都合のいい展開を望んでいる自分がいる。
つながりを経ちきれずに
何もかも宙ぶらりのまま。
中途半端な現状。
こんな奴にこの話の要になれ、と。
俺、そんな暇じゃないんだけど。
ったく、作者ももっと人選考えろっつの。
自滅破滅の話になっても知らねぇからな。
物思いに耽っていると
―――――――ギィィィ……
屋上の錆び付いたドアが開く音がした。
ったく、次から次へと……
今度は何だよ!
反射的に身を屈め
テリトリーに入ってきた人物を目視する。
影は2つ。
1人は…………
うわ、最悪!
坂崎のヤローだ。
3年A組、坂崎直人。
この学校の生徒会長サマ。
相も変わらず薄気味悪い作り笑顔で
ムダに余裕オーラを振り撒いている。
こんなところで見つかったら
ネチネチと粘っこい説教を食らうぞ、俺。
見つからないように
体をさらに低くした。
もう1人は……………
あ?
誰だ、あれ。
学ランを着た女………?
風に吹かれてサラサラと流れる
艶やかな黒髪
メガネの下には
遠くからでもわかるくらい大きな瞳
細くてスレンダーなボディライン。
見たことないけど
とてつもない破壊力のクールビューティー。
へぇ……
性格激ワルなくせに
女のセンスはいいじゃねぇか
ムッツリ会長。
二人をじっと観察していると
話し声が聞こえてきた。
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