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神様、業務不履行ですか?
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「……ごめんね、
こんなところまで連れ出してしまって」
「坂崎先輩、でしたっけ。
僕に話って何ですか」
「さっきも聞いたけど、
本当に僕のこと知らないの?」
「はい、申し訳ありません」
「まいったな……
君と同じ中学校出身なんだけど」
だははは!坂崎ダサ!
そうだよなぁ、
同中なのに覚えてもらえず
さらにこの学校の生徒会長である自分を
知らないなんて
プライドがズタズタだなー……
かわいそーに(思ってない)。
「噂はただの噂、ってわけか。
……………椎名くん、
今お付き合いしている人はいるのかな」
噂?
何の話だろ………………
…………………
………………………………つか、
え?
さっきから
もしかしてとは思ってたけど
あの美人って男??
ウソだろ?
いやでも
声のトーンは男そのものだった。
……………………………
………………………………………
マジか!!
自分と同じものが
あの下半身に付いてるなんて信じらんねぇ!
で?
その【椎名くん】に生徒会長がマジ告白。
男が男に…………ね。
まぁ、あの外見ならあり得なくはないか。
「……いませんけど」
「よかった。なら、
君の恋人に立候補しても………いいかな」
「するのは構いませんが、
僕はあなたの気持ちには応えられません」
「もちろん、今すぐとは言わない。
時間が経てば
君の気持ちが変わるかもしれないし、
その時まで待つつもりだよ」
………普通さ、
あそこまで言われたら
『あ、もしかしなくても嫌われてる?』
とか思うよね。
それだけ本気で好きってことなのか。
それとも、ただのバカなのか。
つか、坂崎のやつ計算高いというか
ズル賢いというか……
あんな言い方して
断りにくい状況作り上げちゃって。
ま、俺なら
干からびるまで待っとけば?
って言うけど。
―――さあ、どうする椎名。
メガネの国のお姫様は
答えを考えていると言うよりは
言葉を発すること自体が苦痛といった
表情を浮かべていた。
………ま、そうなるわな。
逃げ道を塞がれてるわけだし。
とりあえずここは
日本人らしく
『じゃあ、お友達から…』的な答えで
曖昧にして乗り切るしかなくね?
―――椎名は沈黙を纏い
相手の目をじっと見つめた後
ゆっくりと口を開いた。
「あなたに対する気持ちは変わりません。
今もこれからも。
………申し訳ありませんが
僕のことは諦めてください」
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