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二人の関係は
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「生徒会長がこんなところで
油売ってていいんですか?」
「いちいちお前の許可が必要なのか?」
「いーえ、どうぞどうぞ、
遠慮せずにお構い無く
馬に蹴られて死にたくないですし」
二人とも知り合いなのか
言葉の節々に威嚇と虚勢、軽蔑ともとれる
ニュアンスが感じられる。
「ずいぶんと忙しいみたいじゃないか」
「おかげさまで」
「そろそろ退学したらどうだ。
そのほうがお前も芸能活動に集中できるし、
学校の風紀も乱れることはないだろう」
「朝っぱらから
屋上に後輩を連れ込んでる人の
台詞とは思えないですね。
表と裏の顔を使い分けてる先輩のほうが、
俺なんかより
役者に向いてるんじゃ
ないですか?」
「………用がないならさっさと行け。
目障りだ」
「はいはい、わかりましたよ。
どうもお邪魔しましたぁ」
周防先輩は首の後ろで手を組み、
のらりくらりと出口へ向かう。
え、うそ?行っちゃうの?
できれば僕がここから去りたいんですけど!
こちらこそお構い無くなんですけどー!
「あ、そういえば」
周防先輩はドアの前で立ち止まり
くるりとこちらへ向き直った。
「あのドラマのオーディション、
先輩も受けに来てたんですね」
「は、は?
……い……いったい何の話だ……っ」
「あれ?会場の入口で
見かけたような気がしたんですけど
…………勘違いならスミマセン」
僕には何の事だかサッパリ分からないが、
さっきまで余裕だった坂崎先輩は
周防先輩の言葉に激しく動揺していた。
「お、お前の勘違いだ!
いいからさっさと出てい……」
――――――ピンポンパンポーン………
坂崎先輩の言葉を割くように
校内放送のアナウンスが流れた。
『3年A組の坂崎直人くん、至急、体育館ステージまでお越しください……繰り返します…3年…』
「あれあれ!?ザンネーン!
どうやら出ていくのは
俺じゃないみたいですね!」
周防先輩は即殺級の
キラキラエフェクトMAX笑顔で
ドアを指差し顎で出口へ行くよう促した。
坂崎先輩の手は固く握られ
わなわなと震えている。
「椎名くん…また今度ゆっくりと話そう」
低くそう言い残し
先輩は足早に屋上を後にした。
よかった………
胸を撫で下ろし
ほっとするのもつかの間。
周防先輩に
一部始終を見られていたことへの羞恥心で、
かぁっ……と全身が一気に熱くなった。
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