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ドキドキなんかしてないし
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マジでなんで
こんな場面で出会わなきゃいけないんだ。
同級生に見られたほうがよっぽどマシだ!
出口に視線を合わせたままの
周防先輩の横顔をチラッと盗み見る。
本物は媒体を通して見るよりも
野性的でカッコいい。
体の所々で鈍く輝く
重量感のあるシルバーアクセは
しっくりと彼に馴染んでいて
センスの良さは
さすが芸能人といった感じだ。
彼がいるだけで
ここが特別な場所のように思えてくる。
周りを捲き込んでしまう圧倒的な存在感と
誰に対しても怯むことない堂々とした態度。
これで年が僕と1つしか違わないなんて
いったいこの人は
ニンゲン何回目なんだろうか。
それに比べて僕は
比べちゃいけないんだろうけど
男なのに、
あんな女みたいなことされて……
あぁ!
もう穴があったら入りたい!
心の中で自分の顔面を殴り付けていると
周防先輩が華麗に振り返り
じっと僕を見つめた。
皮肉めいた笑顔から一転、
真顔の彼に見つめられて
とっさに視線を地面に移す。
心を射抜かれるような
彼の鋭い視線を浴びながら
熱くなった頬の温度が
さらに上昇したのを感じた。
いろいろな事が起こりすぎて
考えられなかったけど
あのタイミングで出てきたということは
男同士のキスを見たくなかったからなのか
それとも、
僕を助けてくれた………?
「あの…………ぇ…………っ!!」
声をかけながら思いきって顔を上げると
いつの間にか周防先輩が目の前に来ていて
先輩が僕の顔を覗くタイミングと
いっしょになってしまい
鼻先に柔らかい栗色の髪の毛が触れた。
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