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捕まえないで
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勝手なことばかり言って……………
好きで男に言い寄られてる訳じゃないし
第一、志望校だってここじゃなかったんだ!
この高校に通わなければ
別の高校に行っていれば
今の事件だって起きなかった。
こうして
周防先輩に出会うこともなかったのに。
それもこれも全部
全部…………………
全部………………………………っ!
「アンタのせいじゃないか!」
…………………………………………………
…………………………………
しまった!
やってしまった!
言ってしまった!
なにやってんだ!
つか世が世なら
『無礼者!そこに直れ!』なんて言われて
首はねられちゃってるよ!僕!
おそるおそる周防先輩を見ると、
眉間のシワがかなり深くなっていた。
「はぁ?なんで俺のせいなんだよ」
……………ですよねー。
僕でもそう言います。
どうしよう。
はは、は………………………
……………うん、逃げよ。
僕は再び地面に目線を向け
かに歩きでジリジリと出口へ向かった。
「………………おい「タスケテいただいてありがとうゴザイマシタしつれいシマス」」
台詞の続きを聞きたくなくて
先輩の言葉を遮る。
「なんだよ、その棒読み。
あ、ちょっと待てって!」
僕は出口へ飛び込み先輩の制止を降りきって
ダッシュで階段を駆け降りた!
頼むから!
僕のことは放っておいて!
少しでも遠くに逃げたくて
生まれて初めて全力で足を動かす。
助けてもらったのに、お礼もまともに言えず
挙げ句の果てに
『アンタのせいじゃないか!』
………………人生のリセットボタン
どこにありますか?
初対面がこんな結果になるなんて………
どうせ会うなら
もっとマシな出会い方をしたかった。
さよなら、周防先輩………!
どうか僕のことは
『まいっか』的な風に
忘れてやってください。
1つ目の踊り場に差し掛かり
次の階段を駆け降りようとした時
先輩がパシンっ………と
僕の手首を掴んだ。
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