アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
8
-
いや、歌というか鼻歌と言った方が良いだろうか。
歌うというか、口ずさむような。
そんな感じだけど、綺麗だと思った。
音源は、いつも傍を通る公園の中から。
近付くにつれて『音』としか認識できていなかったそれのメロディーが段々と分かってきた。
……『きらきら星』か?
子供の頃、誰もが一度は聞いたであろう有名な曲。
一体誰が歌っているのだろうと、公園周りの背の高い植え込みの植物の陰に隠れて、そぉっと中を覗いた。
そいつは
逢魔が時の公園でこちらに背を向けて、奥のブランコに座っていた。
項(うなじ)が見えるくらいの、サラサラの薄茶色の髪。
顔は見えないけれど、背格好から多分
年の頃は俺と同じくらいだろう。
キィキィとなるブランコの音に合わせるかのように、鼻歌を響かせ続けるソイツを見て
俺は何故か声を掛けてはいけないような気がして、静かにその場を離れた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
12 / 180