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1時限目が終わった途端、俺の隣の席にはまたもや(ほとんど女子の)人だかりが出来ていた。
「前はどこに住んでたの~?」
「んー、色なとこ?」
「クォーターって言ってたけど、どこ?」
「日本ではないかな?」
「今どこに住んでるの?」
先程から猫なで声でされる質問を、隣の薄茶色──祭月は緩慢(かんまん)な態度でかわしている。
俺は…いや俺達はその様子を横目で見ていた。
「おーおー、すっげぇ人気ぶりだな。主に女子に」
「そうだな」
「そういや瑠、さっきの時間何か楽しそうだったじゃん。何やってたんだよ?」
「筆談」
「ほー…、お前ら気付いてたか?その様子を女子達が見てたのを」
は?
「見られてたのは俺『ら』じゃなくて、祭月だけだろ。」
何言ってんだか。
「うーわー、こんにゃろぉ!」
「うわっ何だよ!」
「お前なんかボサボサになってしまえー!」
何の腹いせなのか、いきなり真琴が俺の頭に手を伸ばして乱暴に髪を乱し始めた。
無論、俺は黙ってやられてやる性分ではないから
俺も真琴に手を伸ばして、同じ目に合わせてやった。
結局、良くも悪くも跡が付きにくい俺の髪は少し乱れたくらいの、手櫛(てぐし)で直る程度に。
真琴はわざわざトイレに直しに行って、チャイムギリギリで席に着いていた。
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