アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
19 side瑠
-
休み時間の度にクラスの連中(主に女子)に囲まれていた祭月は、昼休みになる頃には何というか……ゲッソリしていた。
しつこいぐらいに昼飯に誘われていたが、祭月が『那月君たちと食べるから』と言った途端、その群れは散っていった。
理由は言わなくても分かると思う。
「お疲れだねぇ」
「……うん、疲れた」
心底疲れたような声音。
イスだけ移動して、俺の机に突っ伏して答えるその姿に
何となく気の毒な気持ちになって、薄茶色の頭に手をおこうとしたが……
「あ、そうだ」
「!」
突然、何かを思い立ちガバッと起き上がった祭月に驚いて、反射的にその手をサッと引っ込めた。
…あっぶね
何昨日今日話したばっかのヤローの頭撫でようとしてんだよ俺
「どしたの虹ちゃん」
真琴は真琴で
朝、祭月と謎の意気投合を果たしてから
祭月のことを『虹ちゃん』って呼んでるし
「マコちゃんと那月君はもう部活決めてるの?」
祭月の方もお聞きの通りだ。
「俺はバスケ部に決めたわー」
「ほほう、バスケ部ですか。…………それはそれで美味しい」
「ん?何か言った?」
「ふふふ~何でもー 那月君は?」
「…まだ決めてねぇけど」
「今年はちゃんと入れよー瑠。俺としては一緒にバスケ部に入ってくれるとありがたい。」
「…ねーよ」
ニヤニヤと嫌みったらしく、ほくそ笑んでいる真琴の顔面に拳をめり込ませてやりたいのは、きっと俺の気のせいではないはずだ。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
74 / 180