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その表情からは、物凄く眠いのだという事が見て取れた。
俺は、な。
何故かと言うと
眠そうと言えば聞こえは良いかもしれないが、これはそんなもんじゃない。
良く言えば物凄く眠そう。
悪く言えば超が付く不機嫌。
祭月の登場により一瞬浮き足立った女子達のテンションはそれを目にした途端、時が止まったようにピシリと固まった。
まぁそうだろうよ。人相の悪い連中を見慣れている俺でもどこのヤクザだよって思ったくらいだからな。
昨日少しだけ見たあのどこか冷めた表情よりはマシだとは思うが。
そんなクラスの様子など知らないというように、そのままヨロヨロと祭月は教室に足を踏み入れた。
「お、おはよう…虹ちゃん」
「…おはよー……マコちゃん、那月く…ふぁ…」
こんな俺とでも連める真琴でさえも、その変貌ぶりに驚いているように見えた。
なまじ顔が良い分、そこから表情が無くなった時の差が半端ない。
応えながら、欠伸をかみ殺し、祭月はどっかり席に着いた。
そして直ぐに机に突っ伏した。
「なんか虹ちゃん眠そうだねー。昨日夜更かしでもしたの?」
さすが真琴。もうこの状況に対応している。
既に取り戻したいつもの調子で聞く真琴の質問に、祭月は絞り出すような声で答えた。
「…ん゙ー、あさ…よわ…い…から…ねむいぃ……」
覚束無い口調で言う傍から、祭月の目はもう開いてはいない。
「ありゃ、もしかして虹ちゃん朝は低血圧?」
「……………………」
「あれ、おーい虹ちゃーん、もしもーし」
「…………ぐぅ…」
「寝てんな」
「はや!」
その後も、祭月はHRでも起きず、結局1限目が始まるギリギリまで寝ていた。
当然、寝ているアイツを起こしてまで話そうとする奴はいなかった。
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