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恋人
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※桜視点
帰宅してすぐに冷蔵庫を開けビールを手にし裏庭に出た。外は既に真っ暗でこんな田舎だから三日月と無数の星がキラキラ輝いている。ネクタイを外すと拘束から解放された気分になる。今日は少し疲れた。ビールを飲みながらしばらく夜空を眺めることにしよう。
「暑くないのか」
俺お手製のベンチに座っていると後ろから声をかけられた。いつの間に帰ってきていたのか。
「暑いよ。でもほら、月が綺麗だろ?」
振り向くことなく欠けている月を指差し、缶に口をつける。俺は不完全な三日月の方が好きだ。後ろに立っている恋人は完璧主義だから満月の方が好きだと言うけれど。
「ははっ、なんだそれ、告白か?」
「別にそんなつもりはなかったんだけど。それに俺はそんな遠まわしな告白しないよ」
少なくとも今は。
「なら、どんな風に告白してくれんの」
お互いの肩が触れる距離で柚稀が隣に座った。空になった缶を脇に置いて上半身を柚稀の方へ向ける。頬に手を添え、唇同士が触れるか触れないかの所まで近づいて微笑んでやると「あ……」と小さく声を漏らした。期待してるの丸分かり。
「ゆず……好きだよ。愛してる」
直球的な愛の言葉を囁いてから軽く啄むようにキスをした。
「落ち着いたもんだな。昔はあんなにがっついてたのに」
「俺だってもう30だよ?多少は落ち着くよ。柚稀だって人のこと言えないくせに」
「…………ごめんなさい……」
10年以上も前のことを大の大人が苦しそうに本当に申し訳なさそうに謝るものだから少しだけ可哀想になったが、それ以上に俺の一言でこんなにも落ち込んで表情を変えるようになったのが愛しくて、更に意地悪がしたくなった。
「柚稀は落ち着いたっていうか丸くなったなー。ねぇ先生?」
ほんの少しだけ脂肪のついた腹をやわやわと揉む。わざと昔呼んでいたようにすると手の甲を抓られた。
「……先生とか言うなよ」
「どうして?先生は先生だろ。ほら、ここも昔に比べたら丸くなった。ははは」
決して太ってはいない腹を揉む度に吐息を漏らすものだから俺は徐々に変な気分になっていく。
「ふ……ぁ……い、い加減にしろ!」
手首を物凄い力で掴まれ痛みが走る。
「いっ……はは、ごめんごめん。でも太ってるわけじゃないんだからそんなに怒らなくても。腹は全然丸くないから大丈夫だって」
「そういうことじゃない。まったく……もう余計なことしないようにこうしてやる」
ベンチの背中に掛けておいた俺のネクタイで素早く手首を拘束される。昔はよく拘束されたなぁ、と思い出していたら思わず笑みが零れた。
「何笑ってんだよ」
「なんか、懐かしいなって。高校の時はたくさん縛り上げただろ?まさかちんこも縛られるとは思わなかったけどなぁ。あれ辛かったんだよ?」
辛かったけど泣くほど気持ちよかった。今ではそんなことしなくなったけど、昔のように酷く抱かれたい時だってあるのに嫉妬で怒ってる時しかしてくれないから少しだけ不満を持っている。それだって俺がわざと怒らせているのだけど。
「もー、そんな泣きそうな顔しないでよ。ちゃんと気持ちよかったし。ね?」
柚稀の膝の上に立膝をついて乗っかり、見下ろす。顔中にキスを落とすと少しは元気になったようだ。
「あのね、俺は別に責めてるわけじゃないよ。乱暴な柚稀も好きだから」
腰を落として膝の上に座り、不自由な両手で柚稀のネクタイを緩めワイシャツのボタンを3つ程外す。
「ふふ、柚稀エロい」
「お前がやったんだろ」
「うん」
無防備な首筋に顔を埋め匂いを嗅ぐ。柚稀の匂いがする。
「やめろ。汗臭いだろ」
「柚稀の汗の匂い好き。は……ん……」
うっすら滲んだ汗を舐めとる。美味しい。塩っぱい筈なのに甘く感じる。
「桜、それ誘ってんの?」
すでに硬くなり始めたそこをスラックス越しに撫でられ、強請るように自分からも手のひらに押し付けた。
「は、ぁ……誘ってる……俺疲れてんの。今日は苛められたい。だから……」
腰を揺らし擦り付けると焦れったい刺激が脳内を痺れさせる。
「だから、なに?桜ちゃん?」
「う……女の子じゃ、ない……」
今の俺ならどこからどう見ても女の子ではないし腹立たしい筈なのに、いつからかこう呼ばれると柚稀との行為を思い出し欲情するようになった。「桜ちゃん」と呼ばれる時は、大抵痛くて苦しくてとんでもなく気持ちのいいセックスだったから。パブロフの犬かよ。
「女みたいに喘ぐだろ」
お前だって俺の下で喘ぐくせに何を言っているんだ。なんて言い返す余裕もないので大人しく懇願する。
「先生の前でだけだから……柚稀先生、俺のこと、たくさん犯して、ください……」
「ここで?」
「はい……」
ワイシャツの上から乳首を抓られ、小さく体が跳ねた。
「あっ……」
「近所にお前の声響くんじゃないの」
「抑えるから……先生……」
やめる気なんてないくせに。
久々に見た柚稀の獣のような目に胸が高鳴る。すでに俺の気分は柚稀先生の生徒に変わっていた。あくまで恋人というのが前提だけど。明日は2人とも休みだから朝までセックスかなー、と期待しながら身を委ねた。
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