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助けてくれた。
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「おい、何やってんの」
「ああ?オレ達は今いそがしーんだ、どっかいきな」
「うちの生徒ですよね?というか、クラスメイトなんで返してもらえます?」
「佐野…っ、なんで…」
「そろそろ応援団の出番だから。2回目の。
ねえ、早く離してくれない?」
佐野が大学生を説得してみるも、全く聞き入れる感じはない。
佐野はひとつため息をついてケータイを取り出した。
「先生?不審な人たちがいるんですけど来てもらえますか?」
「げっ、こいつ人呼びやがった!」
「それはまずい!逃げるぞ!!」
男3人は俺の手を離してさっさと逃げて行った。
全身の力が抜けて、地面にぺたりと座り込む。
「は…はは…っ」
驚きすぎて言葉も出ない。
「大丈夫?」
「呼んだの?先生」
「ウソ。呼んでないよ」
座り込む俺の隣に来て、同じように座る佐野。
「あ、ありがと…佐野には助けてもらってばっかりな気がする」
「いいよ別に。それよりも、もっと早く助けてあげられればよかったね、ごめん」
乱れてる俺の服を見て佐野はそう言った。
助けてくれたのに、さらに自分が遅かったのが悪いとか言う佐野が凄くかっこよく見えた。
「佐野…かっこよすぎ」
「え?」
「助けてくれただけですごいのにそんなこと考えてたなんて」
「そんなことないよ。それよりどうする?応援団の出番もうすぐだよ」
「頑張る!ありがとう佐野!」
なんとか震えも止まってたから、立ち上がってグランドの方に歩き出した。
「無理してない?」
「大丈夫!それに、練習してきたんだから結果くらい出さないとこんな恥ずかしい格好してる意味ないじゃん?」
「七瀬って意外とポジティブなんだな」
「え?何が」
意味がわからず問い返したけど、佐野は黙ったまま何故か笑ってる。
「…頑張れよ、見てるから」
「う、うん!」
よくは分からなかったけど、とにかく集合場所に向かった。
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