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見たことない顔
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「勝ったー!!綾都褒めて〜」
体育祭が終わり、その帰り道。
和也はドリームレースで一位になったことが嬉しいらしく、いつも以上に引っ付いてくる。
「はいはい、よかったね」
とりあえず頭を撫でておいて、興奮している和也をおさえる。
「あれ、おまえこれどーしたの」
いきなり右手首を握られた。
そこには、大学生たちに強く握られたからか、爪の跡や赤い傷ができていた。
「わ、いつのまに…」
「どうしたの」
いきなり真剣な目になりじっと見つめてくる。
俺は思わず目をそらしてしまった。
「…もしかして襲われた?」
ビクッ
と体が震えた。
暗くなった夜道で人通りは少ない。
和也はじりじりと迫ってきて、後ずさっていると民家の塀の壁に背中がつく。
「は、は?何言ってんの」
「嘘ついてもわかるよ、綾都の事なら」
今までに見たことないような顔をする和也が少し怖く見えた。
あ、違う。
この顔みたことある。
佐野と本当にキスしたって知った時もこんな顔してた。
「ちょ、和也…っ、近いって」
近くによってくる大きな体。
その影だけで、昼間の男たちを思い出してた。
反射的に体が震える。
和也が怖いわけじゃない…はずなのに。
「綾都?震えてるの…」
「お、まえが近いから…!離れろって…!」
和也の体を思いっきり押して逃げ出した。
思いっきり走って、和也から逃げた。
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