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穴の空いた日。
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「じゃあ…お世話になりました」
「うん、気をつけて帰ってね」
「七瀬、本当にありがとう。また改めてお礼するから」
「そんなのいいよ、また学校でも話してね」
別れの挨拶を済ませ、佐野は出て行った。
そして
「綾ちゃーん」
「なに、和也」
べったりと引っ付いてくる和也。
「俺はずっとここにいるぞー」
「だーめ。家はすぐそこなんだから帰りなさい」
背中にある暖かい感触。
少し変な感じ。
昨日、和也と…キスしたなんて。
「ねぇ、和也」
「ん?」
「夜のさ、あれって…」
和也はピクッと反応する。
そして、ニコッと笑った。
「俺、綾都のこと好きだってずっと言ってただろ?」
それは知ってるけど…そんな意味だって普通思わないし。
「キスしたり、抱きしめたりしたい。そんな好きだよ、俺の好きは」
「…っ、よくそんな恥ずかしいこと言えるよ。ほんと」
「そうか?」
無邪気ににひひと笑う和也の唇に、朝に食べたパンのソースが付いていた。
「和也ここ」
俺の唇の端を指差して、付いてることを教えてやる。
すると、なぜか和也は俺に近づいてきて、そのまま顔が近づいて…
「待て。何してんの」
がしっと顔面を片手で受け止めて事情聴取。
「い、や、だってキスしてってことだろ、いまの」
「どこを、どうしたらそうなるの。俺はここにソースが付いてるって言ってたの」
呆れて溜息をつきながら和也の口元のソースをぬぐった。
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